2011 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
23659732
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Research Institution | Saitama Medical University |
Principal Investigator |
片桐 岳信 埼玉医科大学, 医学部, 教授 (80245802)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
大手 聡 埼玉医科大学, 医学部, 助教 (00547979)
笹沼 寛樹 埼玉医科大学, 医学部, 研究員 (30571707)
米山 克美 埼玉医科大学, 医学部, 助手 (20571574)
進 正史 埼玉医科大学, 医学部, 研究員 (70549261)
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Project Period (FY) |
2011-04-28 – 2012-03-31
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Keywords | 遺伝子 / 転写 / 細胞・組織 / 骨形成 |
Research Abstract |
Bone Morphogenetic Protein (BMP)は、筋組織内で異所性骨化を誘導し、in vitroにおいて筋芽細胞の分化成熟を抑制しながら、代わりに骨芽細胞への分化を誘導する。このBMPの作用は、細胞膜に存在するBMP受容体によって活性化される転写因子Smadによって核内へと伝達されると考えられている。我々は、受容体によってリン酸化されるSmad1のリン酸化部位に酸性アミノ酸の変異を導入し、このSmad1が構成的に活性化されることを明らかにした。また、SmadはBMP初期応答因子の1つであるId1の転写制御を司ることも報告している。これらの結果は、Smadを介したBMPシグナルが、細胞分化と増殖の両者を制御していることを示唆する。 そこで本研究では、BMP刺激によって短時間で転写が誘導される他の遺伝子として、Id2とId3の転写制御を解析した。その結果、両者とも転写開始点の5'上流域にGCリッチなBMP応答領域(BRE)が同定された。これらのBREをId1遺伝子と比較すると、3種の遺伝子に共通の6塩基からなるコア配列が存在することが明らかとなった。このコア配列は、Smad1/5とSmad4の結合に重要で、コア配列に変異を導入すると、Smadの結合とBMPに対する応答性が失われたことから、コア配列がSmadの結合配列であることが示された。 さらに、BREを有する遺伝子をデータベース上で検索したところ、Id1のBREと相同性が高く、BMP刺激応答性に発現が誘導される新規転写産物を同定された。このBMP応答性の転写も、Smad依存的であった。従って、BMP受容体によってリン酸化されるSmad1/5と、Smad4によって形成される複合体が、GCリッチな6塩基のコア配列を認識して結合し、BMP初期応答遺伝子の転写を制御していることが明らかとなった。
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