2011 Fiscal Year Research-status Report
血管内皮細胞と骨髄細胞の共存培養系による骨再生に関する研究
Project/Area Number |
23659733
|
Research Institution | National Institute of Advanced Industrial Science and Technology |
Principal Investigator |
植村 寿公 独立行政法人産業技術総合研究所, ナノシステム研究部門, 主任研究員 (60176641)
|
Project Period (FY) |
2011-04-28 – 2013-03-31
|
Keywords | 骨再生 / 血管内皮細胞 / 骨髄細胞 |
Research Abstract |
近年、自家骨移植の代替法の一つとして、組織工学的に再生させた骨の移植が注目されていが、酸素や栄養素が組織内で拡散できる範囲は100-200 μmと考えられており、血管が無い組織では中央部が壊死することが問題となっている。そこで組織内に血管を導入する試みがきわめて重要である。本研究では、RWV(Rotation Wall Vessel)バイオリアクターを用いた3次元培養法を用い、骨髄由来血管内皮細胞―間葉系幹細胞共培養系から、血管を備えた骨組織の再生を目指し、本年度はウサギ骨髄細胞を用いたインビトロ骨組織構築技術を確立した。日本白色家兎(JW/ SCK、10日令、メス)より骨髄細胞を採取し、内皮細胞用培地(EGM-2-MV medium)で培養を行いCD31によるFACS解析、anti-von Willebrand factor antibodyによる免疫染色により内皮細胞への分化を確認後、ポリマー多孔性スキャホールドに播種後、RWVバイオリアクターによる回転培養を1週間行った後、間葉系幹細胞を播き足し、骨分化誘導培地で回転培養をさらに1週間継続した。組織をパラフィン包埋し、Toluidin blue、Hematoxylin and eosin (HE)、Alizarin Red S、Tomato lectin, osteopontin抗体、osteocalcin抗体で染色し、組織学的評価を行った。最初の1週間のRWV培養により、血管様の構造を確認することができ、さらに間葉系幹細胞の追加と骨分化誘導培地による回転培養により骨様組織がコントロールに比して優位に構築できていることが組織化学、免疫組織化学的結果から明らかになり、本手法による培養法の条件が確立できたと言える。インビボ実験(骨欠損モデルへの移植)に向けた予備実験も行った。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
研究実績の概要にも記述したように、本研究課題の主要目的であるRWV(Rotation Wall Vessel)バイオリアクターを用いた3次元培養法を用い、ウサギ骨髄由来血管内皮細胞―間葉系幹細胞共培養系から、血管を備えたインビトロ骨組織構築技術は確立できたと言える。インビボ実験に関して予備実験に留まったので、「(2)おおむね順調に進展している。」と自己評価した。
|
Strategy for Future Research Activity |
初年度で、インビトロ骨組織構築技術がほぼ確立できたので、その手法により作成した組織をヌードラットに移植する技術の確立に向けた研究に集中し、かつ論文執筆による成果発表を行う。
|
Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
細胞培養用ディスポ消耗品 15万円細胞培養用試薬 20万円組織化学評価用試薬 15万円分子生物関連試薬 20万円人件費(研究補助)40万円 計 100万円
|
Research Products
(10 results)