2011 Fiscal Year Research-status Report
Project/Area Number |
23659746
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Research Institution | Nagasaki University |
Principal Investigator |
澄川 耕二 長崎大学, 医歯(薬)学総合研究科, 教授 (60028660)
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Project Period (FY) |
2011-04-28 – 2013-03-31
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Keywords | 薬理学的ポストコンディショニング / 心筋虚血再灌流障害 |
Research Abstract |
臓器虚血再灌流障害の克服の一手段として短時間虚血および薬理学的処置による内在性臓器保護機構を利用した臓器保護法の臨床応用が試みられている。一方、ある種の病態(加齢、高血糖状態、脂質代謝異常、肥満)において虚血再灌流障害に対する内在性臓器保護機構が障害されることが示されており、臨床応用が制限される一因となっている。各病態の動物実験モデルを用い、各種病態に影響されない心筋保護法の開発を行いまたその阻害因子の分子機序解明を行うことで、虚血性心疾患患者の多様な病態に対して有効な薬理学的臓器保護戦略の確立を研究の目的とする。今回、ラット心筋虚血再灌流モデルを用いて、急性高血糖下における薬理学的ポストコンディショニングについて研究を行った。levosimendanによるポストコンディショニングでは高血糖下においても心筋梗塞範囲の変化を認めず、levosimendanによる心筋保護効果は高血糖によって抑制されないことを明らかにした。またmilrinoneとfasudilは高血糖により閾値が上昇し作用が減弱するものの、量を増やすことで再び心筋保護効果が得られることも明らかにした。加えてミトコンドリア感受性カリウムチャンネル(mKATP channel)開口薬であるdiazoxideやmKATP channel阻害薬である5-hydroxydecanoic acidを用いることで、高血糖下での心筋保護効果減弱の分子細胞機構としてミトコンドリア感受性カリウムチャンネルが関与する可能性が示唆された。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
4: Progress in research has been delayed.
Reason
現時点で高血糖下におけるlevosimendan、fasudil、milrinoneの3薬剤の効果についてしか検討できていないため。
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Strategy for Future Research Activity |
研究の進行が遅れているため、高血糖下でも心筋保護効果を発揮することができることが明らかになったlevosimendan、fasudil、milrinoneの3剤を用いて他の病態(高脂血症、糖尿病、加齢)モデルにおける心筋保護効果を検討する。その上で、他の病態においても効果を発揮できた薬剤のみに焦点を当て、以降の分子細胞機構の解明を進めていく。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
i.各種病態ラット(高脂血症、糖尿病、加齢)モデルに対してlevosimendan、fasudil、milrinoneのポストコンディショニングを検討。ii.iで心筋保護効果を発揮できた薬物について、ウエスタンブロッティング法により分子機序を検討する。再灌流前に各薬剤を投与し、虚血終了後再灌流とした後で、心臓を取り出し速やかに冷水で灌流し染色にて虚血危険領域を同定しその組織を切り出して液体窒素で凍結する。凍結切片をホモジナイズしたのち遠心分離にて各細胞成分に分け細胞質の蛋白濃度を測定し、抽出した蛋白試料を用いてウエスタンブロッティングシステムを用いて各細胞内メディエータ(PI3K-Akt、ERK、NOS、PKC、PKA、Rho、GSK3β、Cx43)活性を示すバンドを得る。発光撮影装置にて画像を記録解析し各キナーゼ活性を測定する。iii.iで心筋保護効果を発揮できた薬物についてメディエータの阻害薬を投与することで、心筋保護効果への影響を検討する。またウエスタンブロッティング法を用いて、虚血及び薬理学的プレコン、ポスコンに対する阻害薬の投与が他の細胞内メディエータ活性の変化に与える影響に関して検討する。
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Research Products
(2 results)