2011 Fiscal Year Research-status Report
気管チューブカフ管理を提言できる新規システムの構築
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23659750
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Research Institution | Tokyo Women's Medical University |
Principal Investigator |
森岡 宣伊 東京女子医科大学, 医学部, 講師 (60256518)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
尾崎 眞 東京女子医科大学, 医学部, 教授 (30160849)
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Project Period (FY) |
2011-04-28 – 2013-03-31
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Keywords | 呼吸管理 / 気管壁に作用する圧力 / 医工連携 |
Research Abstract |
気管チューブカフにより気管壁に作用する圧力を測定できるシステムを新規に開発し、人工呼吸管理に役立てる事が目的である。これまで気管壁に作用する圧力をある1点で示した研究はあるが、ある面積を持った測定点の集合として圧力を測定した発表はほとんどない。今年度は静的実験として、臨床で使用する気管チューブのうち、カフ形状3種(通常型・大容量型・テーバー型)、気管チューブ径2種(内径7、8mm)を選択、さらに気管モデル径3種(内径16、18、20mm)の組み合わせにより、気管モデルの気管壁に作用する圧力、カフ圧の測定を試みた。カフ形状、気管チューブ径、気管モデル径の3つのパラメータのうち1つを変化させ、気管チューブカフに空気を注入すると、注入量に応じた気管壁に作用する圧力、カフ圧は同様の挙動を示さないことがわかった。これら静的実験の測定結果をもとに、気管壁に作用する圧力をより精密に測定可能にするため、圧力測定気管モデルの改良を重ね、気管モデルの材質・形状、使用するセンサの種類、センサのモデルへの組み込み方をさらに検討している。また、無次元圧力測定値をPa, mmHg等へ単位化するための方法について検討中である。当初、本年度は静的実験を終え、来年度は換気の条件を加味した動的実験へ移行する予定であったが、静的実験系の確立がやや遅れているため、来年度4-6月は静的実験を継続する。本研究は連携研究者である早稲田大学理工学術院のロボット工学の専門家と密に連絡を取り、医工連携体制を強化しすすめている。研究結果は基礎データを日本麻酔科学会学術集会で発表し、現在までの成果を投稿中(査読中)である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
科研費交付が通常年度より遅れたたため、当課題に必要な圧力センサシステムの購入が予定より遅れ、研究のスタートが当初の計画より遅くなったため。
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Strategy for Future Research Activity |
来年度4-6月に静的実験のデータを揃え、7月以降は動的実験に移行する。静的実験では、無次元量である圧力測定値をPa,mmHgなどの単位を持った値へと変換するためのキャリブレーション精度の改善が現在の課題であり、このための改良期間を含め6月までの計画を予定している。動的実験では、空気をシール可能なように気管モデルの改良をし、人工呼吸器と人工肺を組み込んだ実験系を整える。この実験系では理論上100Hzまでのデータ取得が可能であるがデータ処理能力、解析能力を加味して適切なサンプリング条件を求める。人工呼吸器設定や人工肺コンプライアンスを変え、呼吸という一連の動きの中で気管壁に作用する圧力の測定を目指す。実験をすすめながらデータがまとまった時点で適宜学会発表、論文発表をして結果を公表する。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
動的実験を始めるにあたり、必要となるモデル作製費、呼吸器などの機器使用に必要となる費用、データ解析にかかる費用、また成果報告のための学会参加費等に研究費を使用する。
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Research Products
(1 results)