2011 Fiscal Year Research-status Report
生体リズム異常に伴う夜間頻尿発症メカニズムと新規治療法‐足浴の効果とその機序‐
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23659754
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Research Institution | University of Yamanashi |
Principal Investigator |
武田 正之 山梨大学, 医学工学総合研究部, 教授 (80197318)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
座光寺 秀典 山梨大学, 医学工学総合研究部, 助教 (60345717)
中込 宙史 山梨大学, 医学部附属病院, 診療助教 (80418714)
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Project Period (FY) |
2011-04-28 – 2013-03-31
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Keywords | VNUT / ATP / Piezo1 / メカノセンサー / 膀胱 / 尿路上皮 |
Research Abstract |
1.本研究に先立って、特に尿路上皮に発現するイオンチャネルであるTRPイオンチャネルファミリーのなかでもTRPV4が伸展刺激に対して強く反応し、さらに求心性伝達機構に重要と考えられるATP の分泌に関与することを証明した。2.ついで、本研究では、ATPの分泌機構のなかで、VNUTの意義について検討した。また、臨床検体を用いてこれらの分子の発現程度と臨床データとの関連を調べた。3. Piezo1はマウス膀胱に発現していることが報告された。そこで我々は、マウス膀胱における新たなmechanically activated cation channelの候補であるPiezo1の発現とその局在、機械伸展刺激に対する機能について調べた。膀胱全組織標本では上皮にPiezo1の発現を認め、上皮培養細胞においても発現を確認した。KD(knock-down)法により、Piezo1遺伝子は約34%に抑制された。膀胱上皮培養細胞を用いた伸展刺激実験において、control群は細胞内Ca2+濃度の上昇が見られるが、KD群では細胞内Ca2+濃度の上昇は有意に減弱することが示された。またPiezo1阻害薬(非特異的MSc阻害薬)であるGsMTX4処置下でも、細胞内Ca2+濃度の上昇は有意に減弱した。細胞外ATP放出量解析でも、control群に比べ各群の放出量は低下した。膀胱上皮にはPiezo1が発現しており、伸展刺激に応答して細胞内Ca2+濃度調節を行い、情報伝達物質であるATP放出に関与することを実証した。4.以上の研究結果から、Piezo1は膀胱上皮細胞におけるメカノセンサーとして機能し、求心性シグナル伝達のkey-molecular のひとつであると考えられる。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
膀胱上皮にメカノセンサーの候補であるTPRイオンチャネル、Piezo1が発現し、伸展刺激によって伝達物質であるATPを産生することを明らかにした。TRPV4刺激によってATPが分泌されるメカニズムにおいて、新しく発見されたVNUTが重要な役割を果たすことを明らかにした。新しく開発したマウス排尿行動実験用の代謝ケージを用いて、TRPV4 K/Oマウス、VNUT K/Oマウスの排尿行動を調べた結果、マウスレベルではこれらの分子が排尿行動に大きな影響を持つことが明らかとなった。ヒト膀胱上皮組織におけるVNUTの発現と尿流動態機能検査データとの相関を認めた。
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Strategy for Future Research Activity |
(1)ヒト遺伝子多型と臨床症状(IPSS, OABSS, 排尿日誌など)との関係(2)「高齢者の夜間頻尿・夜間多尿に対する就寝前の足浴」における「時計遺伝子」と「機械センサー」との関係(3)マウス、ラット膀胱平滑筋・上皮・間質細胞(筋繊維芽細胞)の培養系の作成 (4)ヒト膀胱平滑筋細胞、上皮細胞培養系、上皮下に存在する間質細胞(筋繊維芽細胞)の培養系の作成
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
時計遺伝子のノックダウンによる機械センサー(TRP)機能:対象:ヒト膀胱平滑筋および膀胱上皮培養細胞系。方法:野生型と遺伝子組み換え動物の細胞での比較。野生型の場合は、特定の時計遺伝子のsiRNAによるノックダウンを行う。TRP発現に関連するmiRNAと、時計遺伝子異常との関係を調べる。平成23年度研究計画のなかで、「(4)ヒト膀胱平滑筋細胞、上皮細胞培養系、上皮下に存在する間質細胞(筋繊維芽細胞)の培養系の作成」に関しては、本研究費申請後から採択までの期間で、当施設内での別の研究においてすでに施行されていたためである。「平成24年度研究計画」のなかでも、主たる研究目的である「(3)時計遺伝子のノックダウンによる機械センサー(TRP)機能」に対して、当該研究費を充当するとことによってより良い成果を上げる予定である。
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Research Products
(4 results)