2012 Fiscal Year Annual Research Report
生体リズム異常に伴う夜間頻尿発症メカニズムと新規治療法‐足浴の効果とその機序‐
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23659754
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Research Institution | University of Yamanashi |
Principal Investigator |
武田 正之 山梨大学, 医学工学総合研究部, 教授 (80197318)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
座光寺 秀典 山梨大学, 医学工学総合研究部, 助教 (60345717)
中込 宙史 山梨大学, 医学部附属病院, 助教 (80418714)
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Keywords | VNUT / ATP / Piezo1 / メカノセンサー / 膀胱 / 尿路上皮 |
Research Abstract |
1.本研究に先立って、特に尿路上皮に発現するイオンチャネルであるTRPイオンチャネルファミリーのなかでもTRPV4が伸展刺激に対して強く反応し、さらに求心性伝達機構に重要と考えられるATP の分泌に関与することを証明した。 2.ついで、本研究では、ATPの分泌機構のなかで、VNUTの意義について検討した。また、臨床検体を用いてこれらの分子の発現程度と臨床データとの関連を調べた。 3.Piezo1はマウス膀胱に発現していることが報告された。そこで我々は、マウス膀胱における新たなmechanically activated cati on channelの候補であるPiezo1の発現とその局在、機械伸展刺激に対する機能について調べた。膀胱全組織標本では上皮にPiezo1の発現を認め、上皮培養細胞においても発現を確認した。KD(knock-down)法により、Piezo1遺伝子は約34%に抑制された。膀胱上皮培養細胞を用いた伸展刺激実験において、control群は細胞内Ca2+濃度の上昇が見られるが、KD群では細胞内Ca2+濃度の上昇は有意に減弱することが示された。またPiezo1阻害薬(非特異的MSc阻害薬)であるGsMTX4処置下でも、細胞内Ca2+濃度の上昇は有意に減弱した。細胞外ATP放出量解析でも、control群に比べ各群の放出量は低下した。膀胱上皮にはPiezo1が発現しており、伸展刺激に応答して細胞内Ca2+濃度調節を行い、情報伝達物質であるATP放出に関与することを実証した。 4.以上の研究結果から、Piezo1は膀胱上皮細胞におけるメカノセンサーとして機能し、求心性シグナル伝達のkey-molecular のひとつであると考えられる。
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Research Products
(3 results)