2012 Fiscal Year Annual Research Report
腹腔鏡手術操作における触覚感の定量化と手術シミュレータでの再現に関する研究
Project/Area Number |
23659762
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Research Institution | Yokohama City University |
Principal Investigator |
窪田 吉信 横浜市立大学, 医学(系)研究科(研究院), 教授 (10106312)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
槙山 和秀 横浜市立大学, 医学部, 准教授 (40347307)
緒方 正人 横浜市立大学, 医学(系)研究科(研究院), 客員教授 (70501154)
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Keywords | 手術シュミレーター / 触感覚の数値化 / 腹腔鏡下手術 |
Research Abstract |
本研究では、腎臓を始め、泌尿器科関係手術時にカンシが受ける力を複数のセンサで計測して数値化すると共に手術シミュレータでの触覚感の再現手法に関する開発研究を行うことを目的としている。昨年度は、手術中に医師が受ける力を連続的に正確に計測できる実時間計測装置を開発した。 本年度は、昨年度に開発した実時間計測装置を用いて、ブタの腹腔鏡下手術の実験で計測を2回実施した。1回目の試験(5/27)では、計測用術具先端に取り付けた、ひずみゲージの破断、電気メス使用時によるノイズにより、一部データ取得に不備が生じた。そのため(1)計測用術具の修理と頑強化(ストレインゲージの保護)(2)計測装置側での変更(計測レンジの最適化、アースの取り込み)といった改良を行い、計測装置としてより頑強なシステムを作り上げることができた。また、計測したデータを解析するプログラムを製作した。このプログラムは、グラフィカルユーザインタフェースにより、長時間に及ぶビデオ映像から、任意の手技場面における計測データを簡易に抽出することができ、解析作業の負荷を軽減する。これらにより、11/25に実施した2回目の試験では、有用なデータを得ることができた。剥離操作においては、-3.5から4.4[N]、腎臓を破断させるときは3[N]、結紮時には、8.3[N]の力で把持操作していることがわかった。実手術に近い状態での手術手技の定量化については、本研究者の知る限り、これが初めてのことである。 この結果を踏まえ、生体の挙動に近い超弾性体モデルの実時間処理プログラムの研究を行った。実験プログラムを構築し、挙動の不安定性について、圧力項に関する拘束条件を追加することで、安定化した挙動が得られるモデルを構築した。これにより、手術シミュレータに組み込むための基盤モデルが確立できた。これにより、生体に近い挙動でシミュレーションできるようになる。
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Research Products
(8 results)