2011 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
23659765
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Research Institution | Tokai University |
Principal Investigator |
小路 直 東海大学, 医学部, 講師 (50514890)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
内田 豊昭 東海大学, 医学部, 教授 (70146489)
竹谷 孝一 東京薬科大学, 薬学部, 教授 (20120149)
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Project Period (FY) |
2011-04-28 – 2012-03-31
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Keywords | Drug Delivery System / 転移性腎細胞癌 / 分子標的治療薬 / 副作用の軽減 |
Research Abstract |
研究概要 [背景]転移性腎細胞癌に対する分子標的治療薬は、有効性が高い一方で、投薬量の減量、あるいは治療の中断を余儀なくされるような重篤な副作用を生じることが、臨床上問題となっている。 [目的]これまでに、われわれは、腎細胞癌において、メタスチン受容体が他臓器と比較して著名な高発現を示すことを明らかにした。この結果を用いて、メタスチンをキャリアーとし、抗腫瘍効果の向上および副作用の軽減を目的とした新しいDrug Delivery Systemの開発を目指した。 [方法・結果] i)リンカーのデザイン検討 スニチニブとメタスチンとのリンカー分子には、Y位に水酸基を有するアシル誘導体が容易に分子内ラクトン化する性質に着目し、アミノ酸の一種であるL-ホモセリンを用いた。 ii)リンカーの合成とその評価 リンカーのアシル基にはイソブチリル基を導入した化合物を合成した。続いて、メタスチンの立体構造が変化を受けることのないようスニチニブとメタスチン間にある程度距離を持たせるため、10-ウンデセン酸を結合、活性エステルへと導いた後、スニチニブと反応させ、化合物Aを合成した。化合物Aが、生理的条件下エステラーゼによるアシル基の加水分解後、スニチニブ遊離が可能であるかを検討した。シアノプロピルカラムを用いたHPLC分析結果より、スニチニブめ遊離を確認。また、化合物Aの半減期は、8時間程度と長く、24時間後には90%近くのスニチニブが遊離されていた。 iii)リンカーを用いたメタスチン誘導体とSunitinibとの結合 今回の実験では、メタスチンよりも血液中での安定性を向上させたメタスチン誘導体とSunitinibをリンカーにより結合することができた。 [考察]化合物Aをメタスチン誘導体に結合させて作成したスニチニブ-メタスチン誘導体コンジュゲートが合成された。今後は、腎細胞癌に対する分子標的治療薬の新しいDrug Delivery Systemとなりうるかどうか、in vitroならびにin vivoの実験により検討したい。
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