2012 Fiscal Year Research-status Report
Project/Area Number |
23659771
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Research Institution | Gunma University |
Principal Investigator |
木暮 圭子 群馬大学, 医学部, 助教 (00598609)
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Keywords | cAMP / AM / LH-R / 子宮収縮 / 炎症 |
Research Abstract |
幼若ラットにPMSG-hCGを投与する排卵誘導実験において、子宮におけるLH-R mRNAの減少を認めたが、このとき同時にメバロネートカイネース(Mvk)を測定するとPMSG投与後に上昇後減少するパターンを示し、子宮においても卵巣同様に本酵素がレセプターmRNAに対して結合蛋白として働き、LH-R mRNA発現を減少させている可能性が考えられた。子宮LH/hCG受容体の機能をみるため、細切した子宮にhCGを添加した後cAMP産生を測定すると量依存的にcAMPの上昇がみられ、本レセプター蛋白が機能を持つことが示された。 子宮収縮と局所の炎症の関係が検討され、サイトカインの関与が報告されている。このため、我々は顆粒膜細胞をモデルとしてサイトカインを作用させた時のLH-Rの変化を検討した。TNFαはLH-Rの発現を減少させるが、IL-6はLH-Rの増強の方向に働くことがわかった。それぞれのメカニズムについて検討し、TNFα、IL-6共に転写のレベルで作用していることが推測されたので、今後は子宮内膜に対する作用を検討する予定である。一方、血中AMレベルに関しては、単胎より双胎、三胎と母胎血中で上昇していることが判り、臍帯動脈より静脈中で高い結果がでたため、AMが妊娠中は主に胎盤より分泌していることが判明した。このAMは、レセプターを介して細胞内cAMPを上昇させることから、子宮筋の弛緩に働いている可能性がある。また、妊娠が進行するに従い、分泌量が増加し、正常女性血中レベルをはるかに超える量であることから妊娠中に特異的に作用するメカニズムがあることが考えられた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
ラットの子宮を用いた実験では、AMとLH-Rの発現は確認できたが、ヒトのサンプルを用いての実験が進んでいない。しかし、ホルマリン固定された子宮のサンプルを用いても免疫組織染色が可能であることが判明したので今後検討を進めることが可能となると予想される。
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Strategy for Future Research Activity |
ラット卵巣を用いた実験では、LH-RとAMの発現量が多いため実験が進めやすく、発現量の変化や局在の特定がしやすかったが、子宮でのそれぞれの物質の発現量が少なく、量的変化を追及することに困難が予想される。さらにヒトの子宮をサンプルとすることでの制約がかかり、進行に懸念があるが、免疫組織による発現局在やホルモン分泌の時期の特性を知ることにより、性周期の時期に狙いをつけて実験が可能となる。サイトカインの影響に関しては、LH-Rを発現している子宮内膜腫瘍細胞系を用いて検討することでその作用メカニズムを明らかにしていく予定である。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
子宮内膜のRNA抽出の試薬や染色のために必要な抗体などの試薬に使用することが主になる。また、培養系が確立できた場合は、培養に必要な培養器具、試薬に使用する。
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