2013 Fiscal Year Annual Research Report
腫瘍増殖型ウイルスを用いた血中循環がん細胞の検出と卵巣癌再発予測への応用
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23659775
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Research Institution | Kanazawa University |
Principal Investigator |
京 哲 金沢大学, 医学系, 准教授 (50272969)
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Keywords | 末梢血中循環癌細胞 / 卵巣癌 |
Research Abstract |
従来から血液中のがん由来物質を検出することにより癌を早期発見しようとする試みが世界中で行われているが、未だ実用化はされていない。我々が開発したテロメレース特異的増殖型アデノウイルスはviableな癌細胞でのみ複製増殖を行う性質を持つ。これに発光遺伝子を組み込んだキメラウイルスは癌細胞に感染して蛍光を発する。本研究では患者の血液検体にこのキメラウイルス感染させることで、簡便に血中の循環癌細胞(Circulating Tumor Cell: CTC) を可視化して検出する技術を開発し、これを卵巣癌の再発モニタリング等に応用することを目的とした。 OBP-401の至適感染条件(濃度、時間など)、CTC検出の感度、特異度を明らかにすることが出来た。また偽陽性の主因である白血球による非特異的GFP発光のCD452重染色による除外法をほぼ確立し得た。 この条件において実際の患者検体からも卵巣癌を中心とした婦人科癌の約40%にCTC検出を認めた。CTC数(5ml中の血液中に存在するCTCカウント)は手術や化学療法などの治療後に現象または消失する症例が多く、CTCが治療後にも減少しない症例の多くは予後不良であった。したがってCTC数は治療効果の判定に有用なマーカーであることが明らかになった。現在、卵巣癌においてCTCが消失した患者のfollow upにおいて、CTCの再出現が再発の予測因子となり得るかを検討中である。
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