2012 Fiscal Year Annual Research Report
網羅的遺伝子発現解析に基づく卵巣癌幹細胞に特異的な免疫療法の開発
Project/Area Number |
23659777
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
小西 郁生 京都大学, 医学(系)研究科(研究院), 教授 (90192062)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
万代 昌紀 近畿大学, 医学部, 教授 (80283597)
濱西 潤三 京都大学, 医学(系)研究科(研究院), 助教 (80378736)
馬場 長 京都大学, 医学(系)研究科(研究院), 助教 (60508240)
吉岡 弓子 京都大学, 医学(系)研究科(研究院), 助教 (10402918)
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Keywords | 婦人科腫瘍学 |
Research Abstract |
6種のヒト卵巣癌細胞株を用いて、それぞれHoechst33342によるSP(Side population)分画の分離を行い、複数個の細胞株でSP分画を認める細胞株を同定した。さらにこれらの細胞株のSP分画とMP分画の細胞をFACSariaセルソーターを用いて選択的に回収し、それぞれRNAを抽出して遺伝子発現マイクロアレイ解析を行い、階層的クラスタリング解析から、既知の癌幹細胞マーカー候補遺伝子が有意にSP分画に集積していることを確認した。さらにこれらのSPとMPで発現差を認めた遺伝子群について、パスウェイ解析にて、免疫に関わる遺伝子群を抽出した。一般に癌細胞は発癌の過程で宿主の免疫から逃避するメカニズムを獲得していくことが知られているため、上記の遺伝子群から宿主免疫を抑制することが知られている複数個の免疫関連遺伝子群を抽出できた。さらに、これらの中から特定の転写因子活性によって免疫抑制を促進する可能性が示された。 さらに卵巣癌臨床検体(腫瘍組織)を用いた発現マイクロアレイデータを用いて、上記の遺伝子群(gene signature)に関わりの強さについてそれぞれの検体(症例)について、SS-GSEA(Single Sample Gene Set Enrichment Analysis)を用いて数値化した結果、再発や予後不良となる傾向を認めた。すなわち、癌幹細胞は免疫を抑制しながら増殖している可能性が示され、さらにその特徴が臨床的経過に関連する可能性が示唆された。またこれらの遺伝子については、マウス卵巣癌実験での腹膜播種性転移の際にも増強している可能性があり、今後動物実験を用いて検証する。
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[Journal Article] PD-L1 on Tumor Cells Is Induced in Ascites and Promotes Peritoneal Dissemination of Ovarian Cancer through CTL Dysfunction.2013
Author(s)
Abiko K, Mandai M, Hamanishi J, Yoshioka Y, Matsumura N, Baba T, Yamaguchi K, Murakami R, Yamamoto A, Kharma B, Kosaka K, Konishi I
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Journal Title
Clin Cancer Res
Volume: 19
Pages: 1363-1374
DOI
Peer Reviewed
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