2011 Fiscal Year Annual Research Report
グリア幹細胞由来因子を用いた生殖臓器の組織再構築誘導の試み
Project/Area Number |
23659778
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
藤原 浩 京都大学, 医学研究科, 准教授 (30252456)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
西尾 健資 京都大学, 医学研究科, 助教 (70303790)
佐藤 幸保 京都大学, 医学研究科, 助教 (00508236)
荒木 慶彦 順天堂大学, 医学研究科, 准教授 (70250933)
藤原 智子 芦屋学園短期大学, 生活創造学科, 教授 (60310744)
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Project Period (FY) |
2011-04-28 – 2012-03-31
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Keywords | グリア細胞 / 組織再構築 / 生殖臓器 / 幹細胞 / 上皮細胞 |
Research Abstract |
研究分担者の西尾は神経細胞の支持細胞であり同じく神経上皮由来であるグリア細胞の幹細胞に着目し、これを脱分化誘導して脊髄の切断部に移植した結果、従来では困難と考えられていた切断された脊髄軸索の早期の再生を実現した。神経組織は3次元立体構造を作りながらニューロンネットワークを構築している点で、2次元平面構造を構築する通常の上皮組織に比して大きく進化しており、ゆえに神経組織の再構築に関与するグリア幹細胞の機能は注目こ値する。そこで本研究は、生殖臓器の組織再構築機構を顆粒膜細胞、子宮内膜上皮細胞、栄養膜細胞などの上皮細胞の再生・分化の制御という視点からとらえ直し、グリア幹細胞の生殖器官の再構築に対する促進効果の有無をスクリーニングして、グリア幹細胞由来因子が生殖医療において新たな誘導因子として利用できるかどうかについて検討することを目的として計画された。本研究に挙げたスクリーニング実験を施行した結果、金沢大学の京先生から提供を受けたh-TERT導入したヒト子宮内膜上皮細胞株とEGFP-transgenicラットから採取したグリア幹細胞を共培養して、子宮内膜上皮細胞間の相互応答に対する作用を検討した実験系で、グリア幹細胞の存在下にヒト子宮内膜上皮細胞間隙の接着および立体構造の再構築が促進されることが発見された。これらの知見は本研究で作業仮説となっていたグリア幹細胞由来因子が生殖医療において新たな誘導因子として利用できる可能性を支持するものであり、今後の研究の発展が期待できると評価される。
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Research Products
(5 results)