2011 Fiscal Year Research-status Report
改良型シグナルシークエンストラップ法による雌性生殖器幹細胞の新規蛋白質の探索
Project/Area Number |
23659783
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Research Institution | Keio University |
Principal Investigator |
丸山 哲夫 慶應義塾大学, 医学部, 講師 (10209702)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
内田 浩 慶應義塾大学, 医学部, 助教 (90286534)
山崎 彰子 慶應義塾大学, 医学部, 研究員 (60528777)
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Project Period (FY) |
2011-04-28 – 2013-03-31
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Keywords | 子宮 / 幹細胞 / 抗体 / 蛋白 |
Research Abstract |
本研究では、ヒトの子宮内膜および子宮筋などの幹細胞の表面マーカーならびに分泌蛋白を同定し、これらを指標にして、ヒト雌性生殖器官の成体幹細胞の特性と機能を明らかにすることを目的とする。そのためにシグナルシークエンストラップ法(SST-REX法)を用いる戦略とした。その出発材料となる幹細胞と非幹細胞を明確に異なる集団として分離されることが本研究の成否を決するため、本年度は、幹細胞特性をin vivoで確認するシステムの確立を目指した。これまでの子宮内膜再構成モデル(Masuda, et al., PNAS, 2007)をさらに改善していくとともに、内膜幹細胞(Masuda, et al., PLoS ONE, 2010)のみをマーキングし非幹細胞とともに移植することで、幹細胞が内膜の各細胞成分(腺上皮、間質、血管など)へどのように分化していくかを解析した。これまでの再構成系は移植部位であるマウス腎臓を穿通させて行っていたが、極めて高度の技術を要し困難を極めた。そこで、本年度は穿通させずに移植する方法の開発に着手し、その技術を確立し得た。続いて、内膜幹細胞の候補集団である内膜SP細胞および非内膜幹細胞(内膜non-SP)にそれぞれマーカー遺伝子を導入して標識した。これらを、非標識内膜細胞と混在させて、重度免疫不全マウスの腎被膜下に移植し内膜再構成を行った。その結果、標識SP細胞の移植によって再構築された内膜では、標識蛋白陽性細胞が内膜の各構成細胞(腺上皮、血管内皮、間質など)に認められたが、標識内膜non-SP細胞の移植によって再構築された内膜では、標識細胞は腺上皮や血管内皮には存在せず、主に間質のみにしか認められなかった。以上より、内膜SP細胞はin vivo多分化能を有する真の幹細胞であることが確認され、次年度に向けてのSST-REX法に供し得るマテリアルを確保し得た。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
幹細胞特性をin vivoで確認し得るシステムを確立したことにより、SST-REX法の出発材料となる幹細胞と非幹細胞が、明確に異なる集団であることを確認することが可能となった。その点は当初の目標を達成し得たが、これらの幹細胞マテリアルをSST-REX法に供するまでに至っていない点で順調な進展とは言えず、(3)やや遅れている、とした。
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Strategy for Future Research Activity |
本年度に確立した分離・同定法を用いてヒト雌性生殖器官の幹細胞を分取し、SST-REX法へ供していくことにより、幹細胞特異的な表面マーカーおよび分泌蛋白の同定を行う。従って、本年度はSST-REX法を用いた実験が主体となりそれにフォーカスして研究を展開する方策をとる点で、研究がより効率的に推進しやすくなると考えられる。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
SST-REX法に関わる物品費がメインとなる一方、学会などで成果を発表するための旅費、およびSST-REX法には抗体作成など特殊な作業を要するので、その担当者に対する謝金などを計上した。尚、前年度の未使用額の発生は効率的な物品調達を行った結果であり、翌年度の消耗品購入に充てる予定である
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Research Products
(14 results)
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[Presentation] Identification of a novel endometrial gene associated with menstruation, endometriosis and adenomyosis.2011
Author(s)
Tetsuo Maruyama, Takashi Kajitani, Hideyuki Oda, Kaoru Miyazaki, Sayaka Uchida, Akiko Yamasaki, Hironori Asada, Hiroshi Uchida, Yasunori Yoshimura
Organizer
11th World Congress on Endometriosis(WCE).
Place of Presentation
Montpellier, France
Year and Date
September 4-7, 2011
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[Presentation] Contribution of myometrial stem/progentior cells to pregnancy-induced uterine remodeling.2011
Author(s)
Masanori Ono, Tetsuo Maruyama, Takashi Kajitani, Hiroshi Uchida, Hideyuki Oda, Sayaka Uchida, Toru Arase, Akiko Yamasaki, Takashi Nagashima, Hirotaka Masuda, Yasunori Yoshimura
Organizer
2nd World Congress on Reproductive Biology(WCRB).
Place of Presentation
Cairns, Australia
Year and Date
October 9-12, 2011
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[Presentation] CD93 and CD31 as possible candidate markers for human endometrial stem/ progenitor cells.2011
Author(s)
Kaoru Miyazaki, Takashi Kajitani, Hirotaka Masuda, Toshio Hamatani, Hideyuki Oda, Akiko Yamasaki, Sayaka Nishikawa-Uchida, Hiroshi Uchida, Yasunori Yoshimura, Tetsuo Maruyama
Organizer
9th International Society for Stem Cell Research(ISSCR).
Place of Presentation
Tronto, Ontario Canada
Year and Date
June 15-18, 2011
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[Presentation] Possible involvement of UDP-glucose and its recepter P2RY14 in embryo implantation.2011
Author(s)
Toru Arase, Tetsuo Maruyama, Hiroshi Uchida, Kaoru Miyazaki, Hideyuki Oda, Sayaka Uchida-Nishikawa, Maki Kagami, Akiko Yamasaki, Kayoko Tamaki, Yasunori Yoshimura
Organizer
27th European Society of Human Reproduction & Embryology(ESHRE).
Place of Presentation
Stockholm, Sweden
Year and Date
July 3-6, 2011