2013 Fiscal Year Annual Research Report
超極細マルチマイクロ電極を用いた聴神経周波数地図の確立
Project/Area Number |
23659789
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
川瀬 哲明 東北大学, 医工学研究科, 教授 (50169728)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
田中 徹 東北大学, 医工学研究科, 教授 (40417382)
日高 浩史 東北大学, 大学病院, 講師 (40302103)
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Keywords | 蝸牛神経インプラント / 周波数地図 / 微細電極 |
Research Abstract |
(平成25年度の成果) 本年度は、昨年度に続き、(1)ガラス電極を用いた周波数地図の解析、(2)ヒト用蝸牛神経インプラントデザインの為の、ヒト蝸牛神経の形態学的解析を行い、総括としてヒト用蝸牛神経インプラント電極のデザインを検討した。(3)の周波数地図の解析からは、a)らせん構造を形成する蝸牛に端を発する蝸牛神経の内耳道入口部レベルでの周波数構造は、基底回転に端を発するhigh-frequencyに特徴周波数を有する神経束が神経外周の大部分を占めること、b) low-frequencyに特徴周波数を有する神経束は、上方のhigh-frequency神経束のすぐ直下に存在すること、c) また、蝸牛神経上部から神経中心部に向かって電極を進めると、前述のlow-frequency神経束の中心部にmid-frequencyの神経束が存在し、さらに、中心部を超えて神経下部に進めるとhigh-frequency神経束が存在すること、が明らかとなり、1本の針状電極でもlow-, mid-, high- frequeuncyの神経の刺激が理論上は可能であることが推察されたが、一方で、(2)のヒト蝸牛神経の形態学的解析からは、内耳道中間部付近でのヒト蝸牛神経は、長径約1.5mm、外周約5㎜であり、周波数構造別に分離された電気刺激の観点では、針状電極は不利であることが考えられた。 (研究期間全体の研究成果と今後の研究の展開) 今回の研究結果より、1本の針状マルチ電極においても、会話理解に必要なすべての周波数の神経刺激が理論的には可能であることが示されたが、一方で、刺激分離の観点からは、ラップ状電極の併用が、よりよい言語理解の実現に寄与されることも示唆された。今後は、ラップ状+針状電極による周波数分離の検討を行う予定である。
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Research Products
(2 results)