2013 Fiscal Year Annual Research Report
組換え体乳酸菌を用いた頭頸部進行・再発癌に対する遺伝子治療の開発と臨床応用
Project/Area Number |
23659791
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
浅田 行紀 東北大学, 医学(系)研究科(研究院), 非常勤講師 (70436103)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
志賀 清人 岩手医科大学, 医学部, 教授 (10187338)
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Keywords | 組換え体乳酸菌 / 遺伝子治療 / 頭頸部癌 |
Research Abstract |
本研究は乳酸菌そのもの、あるいは乳酸菌をベクターとして用いた新しい進行癌の局所治療、全身療法を開発するのが目的であり、これは特に頭頸部癌の最大の特徴である視・触診可能な範囲にあるという点を最大限に利用して、進行癌に対する安全で強力な治療法の確立をめざすものである。 用いたのはヒト頭頸部扁平上皮癌の細胞株(SAS、HSC2、HSQ89、RPMI2650)で、ヌードマウス側背部皮下に移植した。腫瘍体積が目的の大きさに達したところで、腫瘍体積がほぼ均等になるように3-4匹ずつ3群に分け、乳酸菌組換え体(以下IL-2(+)菌)注入群、乳酸菌非組換え体(以下IL-2(-)菌)注入群、対照群とした。乳酸菌は5日間連続投与実験では1回あたり1.0×108cfuを注入し、対照群にはPBSを注入し、腫瘍の大きさを計時的に測定した。乳酸菌の培養はまずMRS寒天平板培地を用いて画線培養、その後の培養はアネロパウチ・ケンキと専用バウチ袋を用いて、嫌気下37℃で行った。 腫瘍抑制効果を認めたのはHSC2、SASの2株でHSC2ではIL-2(+)菌、IL-2(-)菌の両者で、SASではIL-2(+)菌で有意に腫瘍抑制効果を認めた。この結果は複数の実験で確かめられた。HSC2ではIL-2(+)菌注入群で22日目に腫瘍が消失した個体を認めた。腫瘍抑制効果の得られた乳酸菌および組換え体乳酸菌局所注入ヌードマウスの血清中でTNFα、IL12などのインターロイキンが大幅に増加していることが明らかとなり、Th1型の免疫誘導を行うことが予想された。今後、これらの腫瘍免疫が誘導される物質の同定を検討する。 短期実験についで長期実験を行ったが、IL-2(+)菌で腫瘍抑制効果を認めたものの、生存率では有意差を認めなかった。これは長期になると腫瘍の大きさそのものより、歩行ができるかどうかなどの要因が関与してくるためと思われた。
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Research Products
(2 results)
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[Journal Article] Matched-pair analysis in patients with advanced oropharyngeal cancer: surgery versus concurrent chemoradiotherapy.2013
Author(s)
Kano S, Homma A, Hayashi R, Kawabata K, Yoshino K, Iwae S, Hasegawa Y, Nibu K, Kato T, Shiga K, Matsuura K, Monden N, Fujii M.
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Journal Title
Oncology
Volume: 84
Pages: 290-298
DOI
Peer Reviewed
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