2013 Fiscal Year Annual Research Report
なぜ舌下免疫療法は有効なのか?-マウスモデルでの免疫学的解析-
Project/Area Number |
23659796
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Research Institution | Shimane University |
Principal Investigator |
川内 秀之 島根大学, 医学部, 教授 (50161279)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
森倉 一朗 島根大学, 医学部, 助教 (00362939)
青井 典明 島根大学, 医学部, 講師 (80452556)
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Keywords | アレルギー性鼻炎 / スギ花粉症 / スギ花粉症治療米 / 舌下免疫療法 / 調節性T細胞 / IgE抗体 / コレラトキシン / 経口免疫療法 |
Research Abstract |
舌下免疫療法の有用性とその機序を検討するため、Ovalbumin(OVA)を抗原とした鼻症状の評価が可能なマウスアレルギー性鼻炎モデルを作成した。舌下免疫療法は、全身感作の前にOVAを週に1回、3週間舌下投与して行った。最終局所感作終了後、くしゃみ、鼻かきの回数をカウントし、臨床症状の評価を行った。舌下免疫療法を全身感作の前に施行したマウスでは、くしゃみ、鼻かきの回数は有意に減少した。血清中のOVA特異的IgE価も低下した。頸部リンパ節のリンパ球におけるIL-10 mRNAの発現は有意に上昇し、IL-10の産生量も有意に増加していた。しかし、Foxp3の発現は、非舌下免疫療法群、および舌下免疫療法群に差は認められなかった。以上より、舌下免疫療法は頸部リンパ節のリンパ球における制御性T細胞のIL-10の産生能を亢進し、アレルギー性免疫応答を抑制することが示唆された。 農水省生物資源研究所の高岩文雄氏より供与を受けたマウス用スギ花粉症治療米を用いて、上記のスギ花粉症マウスモデルでの経口免疫療法あるいは舌下免疫療法の有効性の検討を着手した。方法:Balb/cマウスを用いて、スギ花粉抽出物で全身感作を行う前に、2種類(3C7Cと99-3C)の治療米をは経口投与もしくは舌下投与する実験系を組み、誘導相における経口免疫療法と舌下免疫療法の有効性を検討した。点鼻局所投与後の観察項目としては、臨床症状としては、くしゃみ、鼻掻きをカウントした。その結果、2種類の治療米を舌下投与した群のマウスでは、経口投与の群と同様に、誘導相でのくしゃみや鼻掻きの回数が有意に低下した。さらに、Glu-3Crpにcholera toxin Beta-subunit(CTB)を結合したマウス用スギ花粉症治療米を用いて、CTBを結合していない米との間で、経口免疫あるいは舌下免疫療法の有効性を比較検討した。CTBを結合することにより、経口あるいは舌下で使用する治療米の濃度を少なくすることができることが証明された。
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Research Products
(14 results)
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[Journal Article] Japanese traditional medicine, Senn-kinn-naidaku-sann upregulates Toll-like receptor 4 and reduce murine allergic rhinitis2014
Author(s)
Ichiro Morikura, Akemichi Murata, Noriaki Aoi, Yasuhiko Shimizu, Morikura, Akemichi Murata, Noriaki Aoi, Yasuhiko Shimizu, Takafumi Fuchiwaki, Emmanuel Prokopakis Murata, Noriaki Aoi, Yasuhiko Shimizu, Takafumi Fuchiwaki, Emmanuel Prokopakis, HIdeyuki Kawauchi
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Journal Title
Rhinology
Volume: in press
Pages: 不明
Peer Reviewed
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[Journal Article] The pathophysiology of the hygiene hypothesis2013
Author(s)
Emmanuel Prokopakis, Alexios Vardouniotis, Hideyuki Kawauchi, Glenis Scadding, Christos Georgalas, Peter Hellings, George Velegrakis, Livije Kalogjera
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Journal Title
International journal of pediatric otorhinolaryngology
Volume: 77
Pages: 1065-1071
Peer Reviewed
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