2011 Fiscal Year Research-status Report
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23659798
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| Research Institution | Kumamoto University |
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Principal Investigator |
湯本 英二 熊本大学, 生命科学研究部, 教授 (40116992)
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| Project Period (FY) |
2011-04-28 – 2014-03-31
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| Keywords | 脳・神経 / 喉頭麻痺 / 共同運動 / 反回神経 |
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| Research Abstract |
左反回神経を第7気管輪レベルで切断し即時に縫合したモデル動物(Wistar系ラット、メス8週齢)15匹を作製した。処置20週後にすべての動物で声帯はほぼ不動であった。声帯の不動を確認した後、引き続いて反回神経を閾値上電流で刺激し後輪状披裂筋（以下、後筋と略、声門開大筋）と甲状披裂筋（以下、内筋と略、声門閉鎖筋）の誘発筋活動電位を記録した。これらの誘発電位の最大振幅を計測し、内筋の最大振幅に対する後筋の最大振幅の比(後筋/内筋)を計算した。正常側(7側)の(後筋/内筋)比は23.0±44.4％(平均±標準偏差)であった。一方、切断縫合20週後の処置側(後筋/内筋)比(2側)は333.7%、112.0%と大きな値を示した。また、内筋の筋線維サブタイプに2A線維が出現した。これらの結果から再生神経が本来の標的筋肉と異なった筋肉に到達したこと(過誤神経支配)が示唆された。明らかな共同運動は記録できなかったが、筋電図学的および免疫組織学的に過誤神経支配の生じたことが示されたことから、今回作製した動物モデルを麻痺喉頭の共同運動モデルとして使用できると考えられた。
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| Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
後輪状披裂筋（以下、後筋と略、声門開大筋）と甲状披裂筋（以下、内筋と略、声門閉鎖筋）の誘発筋活動電位の最大振幅比を計算し、正常反回神経7側からおよその正常範囲を設定することができた。切断縫合モデル動物処置側での測定はいまだ2側に留まっているがいずれも正常範囲を逸脱する値であった。さらに、免疫組織学的に、正常では後筋に発現し内筋にみられない2A筋線維が、処置側内筋に発現することが示された。これらを定量的に評価することで過誤神経支配の程度を定量化できる目途がついた。
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| Strategy for Future Research Activity |
神経過誤支配として、声門開大時に内筋の収縮が強くなる場合と、逆に声門閉鎖時に後筋の収縮が強くなる場合の二通りが考えられる。両筋の電位の比（PCA/TA比）を正常側および無処置正常動物の PCA/TA比と比較してa)過誤支配の有無とb)後筋優位の過誤支配か、内筋優位の過誤支配か、を判定し、さらにc)過誤支配の程度を定量化する。そのために平成24年度はモデル動物の個体数を増やすことに努める。また、把持力の強い脳血管用クリップを用いて反回神経を傷害し、声帯麻痺発症後に声帯運動が回復するモデル動物を作成して回復過程におけるPCA/TA比を測定して過誤神経支配モデル動物のPCA/TA比との違いを検討する。 確立した動物モデルを用いて、処置後にCaチャンネル拮抗剤含有飼料で飼育し神経再支配が早く起これば過誤神経支配の程度が軽減するかどうかを検討する。
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| Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
1. まず動物数を増やして正常のPCA/TA比を多く収集する。安定した結果が得られるように手技に習熟する。次に、平成23年度に得られた正常動物に関する実験結果を基にして、モデル動物を作製し一定期間（2週、4週、8週、12週）飼育後に声帯運動を内視鏡下に観察してビデオ記録した後、筋電図学的評価を行う。2. 免疫組織学的な内筋と後筋の評価、筋内神経線維と神経筋接合部、神経縫合部の評価を行う。 HE染色では、筋全体・個々の筋線維の萎縮を評価する。免疫染色では、アセチルコリン受容体(α-Bungarotoxin)、神経終末(抗Synaptophysin抗体)、神経線維(抗Neurofilament抗体)、髄鞘(抗Myelin Basic Protein抗体)を染色し、筋内神経線維の再生と神経筋接合部の回復を定量的に評価する。反回神経縫合部は瘢痕（抗III型コラーゲン抗体）、神経線維、および髄鞘を定量的に評価する。
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Research Products
(4 results)
