2012 Fiscal Year Annual Research Report
制御性T細胞によるぶどう膜炎に対する新しいパーソナルメイド免疫療法の開発
Project/Area Number |
23659807
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Research Institution | Tokyo Medical and Dental University |
Principal Investigator |
望月 學 東京医科歯科大学, 医歯(薬)学総合研究科, 教授 (10010464)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
杉田 直 独立行政法人理化学研究所, 網膜再生医療研究開発プロジェクト, 研究員 (10299456)
高瀬 博 東京医科歯科大学, 医歯(薬)学総合研究科, 講師 (20451940)
鴨居 功樹 東京医科歯科大学, 医歯(薬)学総合研究科, 助教 (40451942)
川口 龍史 東京医科歯科大学, 医学部, 非常勤講師 (90376707)
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Keywords | 免疫療法 / 制御性Tさいぼう / ぶどう膜炎 |
Research Abstract |
重要な失明原因であるぶどう膜炎の多くは自己免疫性ぶどう膜炎であり、その治療に患者個人に由来するリンパ球から制御性T細胞を作成して治療に用いるというパーソナルメイドな新しい免疫療法の開発を目標にし、その実現に必要な基盤研究をおこなった。 C57BL/6マウスから脾臓を摘出し、T細胞分離カラム(MACS T cell isolation kits)を用いてCD4+またはCD8+ T cellを採取し、眼の色素上皮(虹彩色素上皮細胞、あるいは網膜色素上皮細胞)に抗マウスCD3抗体、レコンビナントTGF-を添加して共培養し制御性T細胞を誘導した。また、ヒトRPE細胞株ARPE-19細胞をレコンビナントTGF-で処理し、その上清により誘導したヒト制御性T細胞を用いた。これらの制御性T細胞の免疫抑制活性をin vitro並びにin vivo(マウスの実験的自己免疫性ぶどう膜炎モデル、EAU)で解析した。その結果、眼の色素上皮細胞により誘導したマウスの制御性T細胞は活性化Tリンパ球の細胞増殖と炎症性サイトカイン産生を抑制し、さらに網膜自己抗原を免疫して14日後に制御性T細胞を投与したマウスは対照マウスに比べてぶどう膜炎の発症が有意に抑制された。ヒトにおいても同様にin vitroの免疫抑制作用が確認された(Exp. Eye Res., 2012;94:32-40, Invest. Ophthalmol. Vis. Sci., 2012;53:7299-7309)。 以上の結果は、眼の色素上皮細胞により誘導される制御性T細胞はヒトの非感染性ぶどう膜炎の治療に応用される事を示唆する基盤的知見である。
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Research Products
(10 results)