2012 Fiscal Year Research-status Report
アミロイドbを標的とした加齢黄斑変性・緑内障の早期診断・治療に向けた新規戦略法
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23659808
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Research Institution | Tokyo Medical and Dental University |
Principal Investigator |
大野 京子 東京医科歯科大学, 医歯(薬)学総合研究科, 准教授 (30262174)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
森田 育男 東京医科歯科大学, 医歯(薬)学総合研究科, 教授 (60100129)
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Keywords | 加齢黄斑変性 / アミロイドβ |
Research Abstract |
アミロイドβ(Aβ)が生体眼で効率よく可視化できるかを調べるために、Aβペプチドを用いて、単量体から凝集体まで種々の状態のAβ蛋白を調整し、手術顕微鏡を用いて、C57Blマウスの網膜下に注入した。1週間後に標識物質であるPIBBF-227、THK-265、Thioflavin-T、NIAD-4、Curcumin、chrysamine-G、X34、Congo red、methoxy-X04を眼球摘出して網膜伸展標本を作製し、それぞれに適した蛍光波長および多光子励起を用いて、走査レーザー検眼鏡による観察を行った。その結果、特に、PiB染色を行った眼において、網膜下の注入部位に一致してAβを明瞭に可視化することができた。また同時にラマン分析を行い、今回注入したAβに特異的なスペクトラムを解析した。 Aβが蓄積する動物モデルであるNeprilysinノックアウトマウスおよびAPPトランスジェニックマウスを用い、網膜および脳の組織切片をPiBと反応させる、もしくは尾静脈からPiBを注入し、その後に眼球摘出を行い、網膜伸展標本でAβを可視化できるか検討した。その結果、脳内のAβはよく可視化されたが、網膜内のAβは、組織切片、伸展標本ともに染色が薄くやや不明瞭であった。そのため、網膜下に注入するAβ量およびPiBの注入量を増やして、画像シグナルの増強を試みたところ、染色の増強を得られたが、脳に比較するとやや染色は不良であり、この点について今後の改善を要すると思われた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
当初予測したよりも網膜下に注入したアミロイドの染色性が網膜伸展標本において不良であったために、その対策に時間を要した。
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Strategy for Future Research Activity |
網膜下のアミロイドβの可視化を促進するために、網膜下に注入するアミロイドの量の増加、および染色する標識物質の増加を試みる。さらに網膜伸展標本における反応を促進する方法を改良するとともに、in vivoのモデルとして遺伝子改変動物の交配により、より多くのアミロイドが網膜下に沈着するモデルを確立し実験に用いる。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
遺伝子改変動物の追加購入、アミロイド蛋白の購入、標識物質の購入、走査レーザー県眼鏡をマウス眼球の光学系に合わせて改変する費用にあてたいと思います
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