2011 Fiscal Year Research-status Report
細胞質内ウイルス認識機構RIG-Iファミリーによる眼表面感染防御機構の解明
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23659817
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Research Institution | Kyoto Prefectural University of Medicine |
Principal Investigator |
木下 茂 京都府立医科大学, 医学(系)研究科(研究院), 教授 (30116024)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
上田 真由美 同志社大学, 公私立大学の部局等, 准教授 (60398386)
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Project Period (FY) |
2011-04-28 – 2014-03-31
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Keywords | ウィルス / RIG-I / MDA-5 / IPS-1 |
Research Abstract |
近年、ウイルスに対する新たな生体防御機構として、細胞内ウイルス認識機構であるRIG-Iファミリーが着目されている。RIG-Iファミリーとは、RNAヘリカーゼ(RNAの構造をほどく酵素)であるRIG-I、MDA5で構成され、ウイルス感染細胞内においてウイルス由来二本鎖RNAを検知し、インターフェロン(IFN)等の抗ウイルス性サイトカインの産生を誘導する分子群である。本研究では、細胞内ウイルス認識機構RIG-Iファミリーを介した眼表面の感染防御機構に焦点を当て、その機能ならびに作用機序を解明する。平成23年度は、ヒト眼表面上皮細胞を用いた解析として以下を行った。(1) in vivo 健常ヒト結膜上皮細胞の遺伝子発現解析。健常ボランティアからbrush cytologyを用いて採取したヒト正常結膜上皮におけるRIG-Iファミリー関連遺伝子(RIG-I, MDA5等)の発現をRT-PCRにて解析した結果、RIG-I mRNAならびにMDA5 mRNAが、ヒト結膜上皮に発現していることが明らかとなった。(2) 培養ヒト結膜上皮細胞を用いた遺伝子発現、タンパク発現解析。初代培養ヒト結膜上皮細胞にウイルス由来二本鎖RNA(polyI:C)を添加し、RIG-Iファミリーの発現変化をmRNAレベルならびにタンパクレベルで解析したところ、RIG-I mRNAならびにMDA5 mRNAの発現が、polyI:C刺激後6時間で著明に上昇した。また、タンパク発現もpolyI:C刺激後12時間で著明に上昇した。これらの結果は、眼表面上皮に発現しているRIG-Iファミリー、特にRIG-IならびにMDA5が眼表面の感染防御機構に重要な働きをしていることを示唆するものである。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
当該年度では、ヒト眼表面上皮細胞を用いた解析を行い、実際にヒト眼表面で、RIG-Iファミリー、特にRIG-IならびにMDA5が機能していることを証明することができ、研究は、おおむね計画通りに進行している。
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Strategy for Future Research Activity |
今後は、IPS-1欠損マウスなどのRIG-Iファミリー関連遺伝子欠損マウスを用いて、RIG-Iファミリーの眼表面における機能を解析する予定である。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
次年度は、機能解析を目的に研究を進める。遺伝子改変マウスの使用や、定量PCRによる遺伝子発現解析ならびに、western blottingを用いたタンパク発現解析を主に行っていく。また、得られた成果については、積極的に学会発表を行う。研究費の使用計画については、抗体・酵素等の試薬代 30万円、細胞培養関連試薬 20万円、マウス購入・飼育費用 20万円、旅費 20万円を計画している。
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Research Products
(4 results)