2012 Fiscal Year Annual Research Report
プロスタサイクリン受容体異常性緑内障の臨床と分子細胞生物学的検討
Project/Area Number |
23659819
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Research Institution | Juntendo University |
Principal Investigator |
渡邉 慧 順天堂大学, 医学部, 助手 (40596631)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
木村 至 順天堂大学, 医学部, 准教授 (60296663)
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Keywords | 緑内障 / 動脈硬化 / 眼循環 / プロスタサイクリン / 一塩基多型 |
Research Abstract |
本研究は緑内障の発症に血管生理の関与が示唆されてきていることに着目した。975例のgenomic DNAを遺伝子解析に使用し、アミノ酸置換を伴うプロスタサイクリン受容体のSNPの2種類についてinvador法にて検索を行ったが、rs4987262について緑内障患者のみ14例に発現し、正常対照には発現していないことが明らかとなり、緑内障発症の原因遺伝子であることが考えられた。血管因子の遺伝子多型が原因と推測される緑内障を発症する患者が存在することが明らかとなり、その変異型受容体をコードする遺伝子が明らかとなった。本研究は、1)rs4987262のSNPが見出される緑内障患者を極力多数得て、その緑内障病型について検討を行い、2)循環器病学的精査を併せて行うことにより、心血管疾患との関連についても検討を行う、3)変異型プロスタサイクリン受容体 (R212C)を過剰発現させたノックインマウスを作製、分子細胞生物学および病理組織学的に検討、緑内障発症のメカニズムを明らかにし、心機能のチェックも行う、4)変異型受容体を培養細胞に過剰発現させたin vitroにおける検討を行う、5)プロスタサイクリン受容体異常性緑内障ともいえるこのタイプを標的とした緑内障治療を開発すること、に大別される。1)について、引き続き患者から同意を得て血液検体を収集し、genomic DNAを抽出する患者を集めている。同時に家族歴および臨床病型についてまとめている。2)については、当該SNPをもつ患者数がある程度集まったところでコントロールとマッチさせ循環器病学的精査を施行する予定である。3)については4)での実験結果がある程度得られてから施行する。4)について主として取り組んでおり、血管平滑筋細胞やその他の細胞について変異型受容体を過剰発現させるべく、トランスフェクションについていくつかの方法で検討している。
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