2011 Fiscal Year Research-status Report
肝芽腫DNAメチル化プロフィールに基づく予後予測分子マーカーの確立
Project/Area Number |
23659822
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Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
宮城 久之 北海道大学, 大学病院, 医員 (50596442)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
本多 昌平 北海道大学, 大学病院, 医員 (90588089)
岡田 忠雄 北海道大学, 大学病院, 講師 (30344469)
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Project Period (FY) |
2011-04-28 – 2013-03-31
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Keywords | 肝芽腫 / DNAメチル化 / 予後分子マーカー |
Research Abstract |
肝芽腫の悪性度を決める重要な要因はDNAメチル化異常であるという着想から、肝芽腫の予後を規定する分子マーカーをDNAメチル化解析によって探求する。病理組織学的に分類される胎芽型肝芽腫(embryonal type:高悪性度)と胎児型肝芽腫(fetal type:低悪性度)を厳密に分別して、それぞれ遺伝子プロモーター領域のDNAメチル化解析を網羅的におこない、組織型に応じたDNAメチル化プロフィールを解析し、特異的にメチル化率の異なる候補癌抑制遺伝子を同定する。本研究結果を用いて、肝芽腫のprogressionにおけるDNAメチル化異常の関与を明らかにし、DNAメチル化異常からみた肝芽腫の予後予測因子としての分子マーカーを確立することを目的としている。 北海道大学病院でこれまでに蓄積したパラフィン包埋固定された肝芽腫腫瘍検体(8検体)の病理組織学的所見から適切な切片を選出し、macrodissectionの手法によって胎児型・胎芽型肝芽腫の領域を分けて採取し、それぞれから核酸抽出をおこなった。これまでに解析したことのあるRASSF1AのMethylation-specific PCR法をおこない、正常肝、胎児型・胎芽型肝芽腫におけるメチル化の相違を確認した。DNA断片化によってバンドが描出されない検体が存在し、パラフィン包埋切片からの核酸抽出手法についてコントロールを置いて再検討をおこなっている。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
DNA抽出に伴うDNA断片化によって当初の目標である網羅的メチル化解析にすすむことができない状況であり、コントロールを置いてDNA抽出手技を再検討おこなっている。次年度に施行予定であったcell lineを用いた研究の準備段階として、実際に使用するHepG2の細胞培養をおこない、培養条件の設定などいつでも試薬を用いた研究を開始できる体制を整えた。
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Strategy for Future Research Activity |
Cell lineを用いた脱メチル化処理と発現解析をすすめる。網羅的メチル化解析に適切な核酸抽出をおこない、組織型に応じたメチル化プロフィールの作成を施行する。Cell lineにおけるメチル化解析手法(MSP法、COBRA法、Bisulfite pyrosequencing法)は翌年度以降に施行予定の臨床検体を用いた解析に直接使用可能となる。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
Cell lineの脱メチル化処理および発現解析に要する費用。網羅的メチル化解析に要する費用。Cell lineおよび臨床検体のメチル化解析に必要な試薬やキット類は概ね平成23年度に使用した試薬類の補充のみで、大きな研究費の負担とはならないと考える。予定していた外注解析が検体の準備の都合で施行できなかったため未使用額が生じた。平成24年度において予定通り解析をすすめる計画にしている。
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