2013 Fiscal Year Annual Research Report
唇顎口蓋裂治療における再生医学~機能性Scaffoldを応用した顎裂再建
Project/Area Number |
23659826
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Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
小山 明彦 北海道大学, 大学病院, 講師 (70374486)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
山本 有平 北海道大学, 医学(系)研究科(研究院), 教授 (70271674)
古川 洋志 北海道大学, 医学(系)研究科(研究院), 講師 (00399924)
舟山 恵美 北海道大学, 医学(系)研究科(研究院), 助教 (10533630)
林 利彦 北海道大学, 歯学研究科(研究院), 准教授 (00432146)
齋藤 亮 北海道大学, 医学(系)研究科(研究院), 客員研究員 (70507574)
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Keywords | 骨欠損 / G-CSF / β-TCP / ゼラチンハイドロゲル / 徐放化 / 骨再生 |
Research Abstract |
【背景】近年,G-CSFが骨増殖促進作用や難治性骨折の骨癒合促進作用を有する複数の報告が存在する. 【目的】局所投与されたG-CSFが,生体吸収性バイオセラミックスであるβ-TCPの骨伝導能を高める作用が認められるか検証する. 【対象と方法】Wistar ratの左右頭頂骨に直径5 mmの骨欠損を作成する.合計27の骨欠損を無作為に9群の治療群に振り分けた.β-TCP discに水溶液として薬剤付加を行った群として;生理的食塩液のみ(グループA,コントロール),1 μg(グループB),5 μg(グループC),あるいは20 μgのG-CSF含有生理的食塩液付加投与群(グループD).β-TCP discに薬剤含浸ゼラチンハイドロゲルを付加した徐放化群として;生理的食塩液のみ(グループE),1 μg(グループF),5 μg(グループG),あるいは20 μgのG-CSF付加群(グループH).最後の群は自発的骨再生を観察するために骨欠損作成のみで無治療とした(グループI).手術後8週で動物の安楽死を規定に則り行い,骨組織を採取した.ヘマトキシリン-エオジン染色による組織観察およびアニリンブルー染色標本と画像解析ソフトを使用した再生骨量,残存バイオセラミックス量の分析を実施した. 【結果】新生骨量の検討を行った結果,グループFおよびGでは,グループAと比較して有意に高値を示した.残存β-TCP量の検討では,グループGはグループAと比較し,有意に低値を示した. 【結論】ゼラチンハイドロゲルを用いて5 μgのG-CSFを徐放化した場合,β-TCPの骨伝導能,生体吸収性の双方を促進する結果が得られた.この徐放化G-CSFとβ-TCPを組み合わせた骨再生法は,頭蓋顎顔面領域の骨欠損治療に対する応用の可能性を有していると考えられる.
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