2012 Fiscal Year Research-status Report
ストレスは創傷治癒を遷延させ、抗ストレス薬は治癒を促進させ得る
Project/Area Number |
23659829
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Research Institution | Niigata University |
Principal Investigator |
宮田 昌幸 新潟大学, 医歯学系, 助教 (30261928)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
長谷川 剛 新潟大学, 医歯学系, 准教授 (90251800)
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Keywords | ストレス / 創傷治癒 |
Research Abstract |
本研究では三段階の実験を設定し、最終的には「抗ストレス薬は拘束ストレスを受けない正常ラットの創傷治癒も促進する」ことを確かめることを目標としている。難治性潰瘍を合併する病態を前提としたため、糖尿病ラットの創傷治癒過程にストレスが与える影響と抗ストレス薬の効果を観察する実験を計画したが、文献や学会での情報と糖尿病ラットが当初見込みより高額であったことから、モデルを糖尿病マウスに変更した。また、予算内でより効率的に実験を行う目的と当初実験設備として利用を計画していた新潟大学附属の動物実験施設が修復工事中は使用困難となるため、教室内の一区画に実験室を整備し(別予算による工事)、実験に必要な器材を揃えた。実験室整備期間中にはマウスに投与するのに適した抗ストレス薬と投与量を決定した。また、本実験に先立ち、背部に作成する皮膚欠損創の再現性のある作成法と治癒過程の評価法を再検討し確立した。 実験動物をマウスに変更した後、新潟大学動物実験倫理委員会への申請に際して、ストレス負荷方法再考の指摘を受けたため、予備実験でマウスの拘束器具を当初計画した金属製のストレスケージから、アニマルポケットに変更し、より愛護的な実験動物の拘束が可能となった。 現在、研究の変更によりやや遅れが生じているが、第一段階の「拘束ストレスにより糖尿病マウスの創傷治癒が遷延するか」に取り組んでいる。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
4: Progress in research has been delayed.
Reason
本研究では、難治性潰瘍を合併する病態を前提としたため、糖尿病ラットの創傷治癒過程にストレスが与える影響と抗ストレス薬の効果を観察する実験を計画したが、文献や学会での情報から検討した結果、糖尿病マウスに変更することになった。また、予算内でより効率的に実験を行うため改修中の新潟大学附属動物実験施設ではなく、教室内に実験室を整備するなどの諸準備に時間が掛かり、実験スケジュールの変更を余儀なくされ遅延が生じた。
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Strategy for Future Research Activity |
本研究では三段階の実験を設定しており現在、第一段階の「拘束ストレスにより糖尿病マウスの創傷治癒が遷延するか」に取り組んでいるが、引き続き残る以下の2点について平成25年度内に明らかにしたい。 第二段階 抗ストレス薬は拘束ストレスを受けた糖尿病ラットの創傷治癒を促進するか。 基本的な実験手技は、第一段階と変わらないので実施に大きな困難はないと考えているが、抗ストレス薬が創傷治癒に有意差をもたらすか否かがポイントとなるため、必要に応じて、薬剤量や投与薬を変更して実験を反復する可能性がある。 第三段階 抗ストレス薬は拘束ストレスを受けない正常ラットの創傷治癒も促進するか。 第二段階と同じく実験の手技は大きく変わらないので更に遅延を生じる可能性はないが、有意差を示せないこともあり得ると考えている。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
実験器具は概ね整備したため、具体的には実験に必要なマウス購入(本実験で最も費用を要する)と飼料・薬剤など消耗品の追加、実験への専門知識提供への謝金、研究成果発表に経費を使用したい。
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