2013 Fiscal Year Annual Research Report
ストレスは創傷治癒を遷延させ、抗ストレス薬は治癒を促進させ得る
Project/Area Number |
23659829
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Research Institution | Niigata University |
Principal Investigator |
宮田 昌幸 新潟大学, 医歯学系, 講師 (30261928)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
長谷川 剛 新潟大学, 医歯学系, 准教授 (90251800)
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Keywords | ストレス / 創傷治癒 / 難治性潰瘍 |
Research Abstract |
本研究では、難治性潰瘍を合併する病態を前提としたため、糖尿病ラットの創傷治癒過程にストレスが与える影響と抗ストレス薬の効果を観察する実験を計画したが、文献や学会での情報から、糖尿病マウスに変更すること、また、予算内でより効率的に実験を行う目的と当初実験設備として利用を計画していた新潟大学附属の動物実験施設が修復工事中は使用困難となるため、教室内の一区画に実験室を整備し実験に必要な器材を揃えた。実験室整備期間中にはマウスに投与するのに適した抗ストレス薬と投与量を決定した。また、本実験に先立ち、背部に作成した皮膚欠損創の再現性のある作成法と治癒過程の評価法を再検討し、実験開始までに遅延が生じた。 第一段階の「拘束ストレスにより糖尿病マウスの創傷治癒が遷延するか」については実験を終了し、傷面積の収縮(上皮化)速度についてはストレス負荷群では非負荷群とではマクロのデジタル画像上で有意差があり、拘束ストレスにより糖尿病マウスの創傷治癒が遷延することを認めた。また、当初予想していなかったが、除毛した部位の発毛にも差を生じていた。現在、組織学的にも皮膚再生(再生皮膚の厚さ、新生血管の密度など)はストレス負荷群で劣ることの確認を進めている。合わせて、「抗ストレス薬は拘束ストレスを受けた糖尿病マウスの創傷治癒を促進する」という次の課題に取り組んでいる。この2段階目の実験結果をまとめた上で、その成果を第23回形成外科学会基礎学術集会で発表予定である。
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