2011 Fiscal Year Research-status Report
ケロイド由来線維芽細胞のカルシウムイオンチャネル解析
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23659838
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Research Institution | Nippon Medical School |
Principal Investigator |
石井 暢明 日本医科大学, 医学部, 助教 (00445826)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
小川 令 日本医科大学, 医学部, 准教授 (70398866)
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Project Period (FY) |
2011-04-28 – 2013-03-31
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Keywords | 線維芽細胞 / イオンチャネル / Caイオンチャネル拮抗薬 / コラーゲン / 創傷治癒 / 力学的刺激 / メカノバイオロジー / ケロイド |
Research Abstract |
細胞伸展刺激装置を用い、伸展刺激の最適化(伸展の強さ、パターン(周期的刺激および持続的刺激)、刺激時間)を行った。その結果、15 cycle/minの周期的伸展刺激で、伸展開始後1時間から遺伝子発現の変化が検出できることが判明した。doubling timeの計測およびRealtime RT-PCR法では、24時間の持続伸展で優位な結果を得た。次にCaチャネルブロッカーの至適濃度を設定した。Nifedipineを用い、正常皮膚由来の線維芽細胞を通常の培養皿にて培養し、種々の濃度のNifedipineを投与したところ、100μMの濃度で、遺伝子発現の変化を認めた。現在、この条件を確認するために、正常皮膚由来の線維芽細胞を15 cycle/minの周期的伸展刺激で培養し、Nifedipine 100μMを投与し、下記の各群を比較検討している。 (1)伸展刺激なし、Caチャネルブロッカーなし(2)伸展刺激あり、Caチャネルブロッカーあり(3)伸展刺激なし、Caチャネルブロッカーなし(4)伸展刺激あり、Caチャネルブロッカーあり この4群で差が認められるような条件設定を行っている。解析には、細胞増殖能の計測、細胞のリアルタイムRT-PCR(各種増殖因子、コラーゲンや細胞増殖のマーカーなどの遺伝子発現)、各種増殖因子やコラーゲンのELISA法による測定、細胞の染色を施行中である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
当初の計画通り、細胞伸展刺激装置の条件設定、Caイオンチャネル拮抗薬の濃度設定が完了し、現在解析を進めている段階である。ただし、測定時期の設定などまだ検討をようする課題が多くある。
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Strategy for Future Research Activity |
線維芽細胞の細胞膜上に存在するCaイオンチャネルが、線維芽細胞の伸展刺激によって活性化することが判明した。ただし、Caイオンチャネル以外にも多くの接着分子などが、伸展刺激によって影響を受けることが判明している。これらの差異の比較検討が今後の課題であり、来年度はもう少し幅広い検討を同時に行えるよう計画している。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
ほぼ当初の予定どおりだが、測定時期の設定などまだ検討を要する課題が多くあるため、比較検討が同時に行えるよう、若干の修正を行う予定である。
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