2011 Fiscal Year Research-status Report
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23659842
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Research Institution | University of Tsukuba |
Principal Investigator |
水谷 太郎 筑波大学, 医学医療系, 教授 (80181890)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
下條 信威 筑波大学, 医学医療系, 講師 (20462210)
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Project Period (FY) |
2011-04-28 – 2013-03-31
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Keywords | CO2中毒 / 急性中毒 / 急性期治療 / 中毒モデル |
Research Abstract |
CO2中毒において実際の事件および災害からその有害性は認知されているが、中毒死となるその直接死因のメカニズムはまったくの不明である。申請者らはモデル動物を用いて、段階的に分けた濃度のCO2チャンバー内での血行動態、呼吸状態、血液ガスをモニタリングすることにより、その直接死因を探るとともに、静脈血採血、摘出心、肺および脳を生化学的、分子生物学的手法で解析する。さらに培養心筋細胞を用いてCO2負荷による反応を解析し、より詳細なメカニズムの解析を試みる。その結果からモニタリングすべき項目を検討・設定し、臨床における血中CO2濃度の臨床的限度の設定を行うことを目的とする。初年度において、高CO2環境の設定、および正確なモデルの作成に従事してきた。近年の動物倫理審査の厳正さ、および実験環境管理の徹底などから、モデルの作成および環境整備に苦慮したものの予備実験段階まで達成している。概ねの目的は達しており、設備・環境も整い、新しい大学院生、研究補助員の増員もあり、本年度は生存曲線の作成も含めて、50~100頭の動物データを集積する。細胞培養については、新生児ラットのプライマリーカルチャーの実験系を立ち上げており、in vivo実験と同時に、CO2負荷条件下での培養細胞細胞の観察、および細胞レベルでの心筋代謝、肥大・増殖・炎症、アポトーシスのコントロールとの比較・評価を行い、そのメカニズムの解明も進める。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
麻酔下ラットカテーテル心機能、血液ガス分析モニタリング(in vivo実験)心臓カテーテル検査および心電図・血ガス分析モニタリングの実験系を確立した。チャンバーの導入による内部のCO2濃度調整はまだ、改善の余地を残すものの、チャンバー内のO2濃度は21%固定および、CO2濃度5, 10, 20, 40%の設定は問題無いと考えられる。予備実験段階であるが、静脈血採血および摘出心、肺、脳の臓器摘出し保存を開始している。心筋培養CO2負荷実験(in vitro実験)新生児ラット心筋のプライマーカルチャーの実験系を立ち上げた。細胞レベルでのCO2負荷による心筋代謝、肥大・増殖・炎症、アポトーシスのコントロールとの比較・評価を行う。直接死因のより詳細なメカニズムの検討を行う。
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Strategy for Future Research Activity |
本年度も実験データの蓄積を続ける。特に、生存曲線を出すために、50匹以上のデータを蓄積する予定である。また、心電図テレメトリーシステムについては、手技上の困難さもあり、まずは麻酔下での心電図データの蓄積を中心に行う。今年度は、大学院生、研究補助員などの増員もあり大きな進展が期待できる。同時にCO2負荷条件下での培養細胞の観察、および細胞レベルでの心筋代謝、肥大・増殖・炎症、アポトーシスのコントロールとの比較・評価を行い、データを集める。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
in vitro実験 生後1日ラット(200千円)で合計200千円in vivo実験 ラット・マウス購入(500千円)、測定機器消耗品(200千円)、試薬(400千円)、で合計1100千円研究費合計 1300千円学会参加費(情報収集および成果発表)日本中毒学会、アメリカ中毒学会など情報収集および結果報告を目的として(300千円)本研究費は、既存の設備を使い、大きな購入は前年度に行なっているため消耗品および動物の購入が中心である。なお、昨年度からの繰越金が771千円あるが、研究推進の中心である分担者である下條の長期出張による不在のため発生しており、今年度はその予算も合わせての研究計画となっている。
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