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2012 Fiscal Year Research-status Report

唾液腺細胞の分化転換と再生に必要な転写因子の同定

Research Project

Project/Area Number 23659864
Research InstitutionOsaka Dental University

Principal Investigator

桧枝 洋記  大阪歯科大学, 歯学部, 准教授 (30243132)

Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) 阪井 丘芳  大阪大学, 歯学研究科(研究院), 教授 (90379082)
美島 健二  昭和大学, 歯学部, 教授 (50275343)
斎藤 一郎  鶴見大学, 歯学部, 教授 (60147634)
Keywords唾液腺
Research Abstract

器官再生のアプローチの1つは器官形成や細胞分化を制御している転写因子を用いて特定の細胞タイプへと分化誘導することである。申請者は,特定の細胞タイプへの分化誘導に必要な転写因子は器官形成初期で発現する転写因子と成体器官で細胞タイプ特異的に発現する転写因子との組み合わせであるという仮説を立てた。マウス唾液腺をモデルケースとしてこの仮説を立証するために,平成23年度は,成体マウス唾液腺の主要な4種類の細胞を分離し,各細胞タイプで発現する転写因子を同定することを目的とした。当初はSox9-EGFPマウスおよび抗CD117抗体を用いて細胞を分離する予定であった。しかし,転写因子Sox9の代わりに細胞表面分子CD66aを指標に用いて唾液腺の各細胞タイプを分離できる可能性が出てきたため野生型マウスを用いて実験を進めてきた。マイクロアレイ解析からCD66aは唾液腺上皮組織の腺房細胞の分化開始とともに発現レベルが急上昇することが明らかになり,免疫染色の結果から成体でと同様に腺房細胞と介在部導管細胞で発現することを見いだした。CD66a抗体はフローサイトメトリーに利用可能であることから,2種類の細胞表面分子CD66aとCD117を指標にすることにより,野生型の成体マウスを用いて唾液腺上皮の各細胞タイプを分離できる可能性が示唆された。成体マウス唾液腺をコラゲナーゼ/ヒアルロニダーゼで処理によって上皮細胞画分を得た後、CD66a 抗体とCD117抗体を用いたフローサイトメトリーによって各上皮細胞タイプを分離することに成功した。現在、各細胞タイプの遺伝子発現や分化能の解析を進めているところである。

Current Status of Research Progress
Current Status of Research Progress

3: Progress in research has been slightly delayed.

Reason

本研究課題の目標は唾液腺を構成する各細胞タイプを分離して、それらに特異的な遺伝子を同定し、細胞分化に必要な転写因子を同定することであるが、現状は分離した細胞に特異的な遺伝子の解析を進めている段階であり、細胞分化に必要な転写因子の同定までには至っていない。それにはいくつかの原因がある。1つは細胞分離の指標分子を変更したことである。当初は転写因子Sox9と細胞表面分子CD117を指標にする予定であった。しかし,この方法ではSox9-EGFPトランスジェニックマウスを利用する必要があり,将来の応用を考えると野生型マウスの利用が望まれた。マイクロアレイの結果等を参考にして,Sox9の代わりとなるような細胞表面分子を探索した結果,CD66aが利用可能であることが判明したため,CD66aとCD117を指標にし,また,Sox9-EGFPトランスジェニックマウスではなく野生型マウスを用いた実験に変更した。2つめの原因はフローサイトメトリーのための唾液腺上皮細胞画分の調製方法を再検討する必要があったことである。他研究者の方法では上皮細胞画分に間質細胞や血球細胞が多く含まれていた。そのため,細胞調製方法を再検討し,上皮細胞を99%以上の収率で分画する方法を見つけた。3つ目の原因はフローサイトメーターの不具合のためしばらく装置を使用することができなかったことである。当初の予定よりも遅れているが,研究プランそのものは妥当であり,実行可能であることに変わりはない。

Strategy for Future Research Activity

今年度までの研究により,野生型マウスの成体唾液腺から各上皮細胞タイプを分離するための指標として2つの細胞表面分子CD66aとCD117を利用できることを明らかにし,実際に唾液腺を構成する数種類の細胞をFACS分離することに成功した。
これらの成果をもとに平成25年度は,分離した細胞をサイトスピンで回収した後,マーカー分子の発現を免疫染色で解析することにより,各細胞タイプの確認・特定を行う。分離した細胞を用いてマイクロアレイ解析を行い、各細胞タイプに特異的な転写因子等を同定する。さらに、分離した各細胞タイプの増殖能と分化能をin vitroおよびin vivoで解析し、また、同定した転写因子を導入することによって唾液腺細胞への分化誘導能を持つ転写因子を同定する。

Expenditure Plans for the Next FY Research Funding

本研究を平成25年度まで延長し、その研究費は578,397円を予定している。
実験用マウス,抗体,培養用試薬、分子生物学用試薬等の消耗品を購入する。 マイクロアレイ解析を外部業者に依頼する。口腔科学会(宇都宮)、歯科基礎医学会(岡山),日本再生医療学会(京都)にて研究発表するための旅費・参加費を支出する。

  • Research Products

    (1 results)

All 2013

All Journal Article (1 results) (of which Peer Reviewed: 1 results)

  • [Journal Article] Regulation of the Epithelial Adhesion Molecule CEACAM1 Is Important for Palate Formation2013

    • Author(s)
      Junko Mima, Aya Koshino, Kyoko Oka, Hitoshi Uchida, Yohki Hieda, Kanji Nohara, Mikihiko Kogo, Yang Chai, Takayoshi Sakai
    • Journal Title

      PLoS ONE

      Volume: 8 Pages: e61653

    • DOI

      10.1371/journal.pone.0061653

    • Peer Reviewed

URL: 

Published: 2014-07-24  

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