2012 Fiscal Year Annual Research Report
軟骨内タンパク質輸送の新機構:多層トランスサイトーシス
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23659872
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Research Institution | Okayama University |
Principal Investigator |
滝川 正春 岡山大学, 医歯(薬)学総合研究科, 教授 (20112063)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
久保田 聡 岡山大学, 医歯(薬)学総合研究科, 准教授 (90221936)
服部 高子 岡山大学, 医歯(薬)学総合研究科, 助教 (00228488)
西田 崇 岡山大学, 医歯(薬)学総合研究科, 助教 (30322233)
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Keywords | LRP-1 / CCN2/CTGF / トランスサートーシス / 軟骨 / タンパク質輸送 / 変異動物 / 骨格異常 |
Research Abstract |
平成23年度に得られたデータをまとめ、Journal of Cell Science. 15, 2965-2972, 2012 に論文発表を行った。 次いで、変異動物を用いた統合的検証をすべく、軟骨組織でのみlrp1の欠損した変異(Col2CreLRP1flox/flox)マウスを作成し、得られた変異動物の表現型を解析した。その結果、LRP-1 が軟骨組織の発生に大きく関与していることが明らかとなった。即ち、まず、Col2CreLRP1flox/floxマウスが骨格異常を来たすことを明らかにした。具体的には、Col2CreLRP1flox/floxマウスの肋骨に対する肋軟骨の割合が野生型マウスと比べて大きくなった。また、野生型マウスの胸郭の形状は楕円形を示すのに対し、変異型マウスでは第1肋骨から第12肋骨にかけ広がった釣鐘状を呈した。さらに、変異型マウスでは脊椎にも異常が認められ、野生型と比較し、頸椎の幅は広く、短く、脊椎と脊椎の間も狭かった。ほとんどのCol2CreLRP1flox/floxマウスが出生直後に死亡してしまうが、まれに出生後も成長する変異型マウスも存在し、このマウスは骨格異常により低身長を呈することも明らかとなった。2か月齢の変異型マウスの脛骨軟骨部を採取し、アルシアンブルー染色を行ったところ、変異型マウスの軟骨細胞は野生型マウスの軟骨細胞と比べ丸い形状を呈していた。また、成長板軟骨部においては、野生型で認められる軟骨細胞が整然と並ぶカラム構造が、変異型マウスでは乱れていた。さらに、変異型マウスの関節軟骨部においては、野生型マウスと比較し、関節表層から二次骨化中心までの厚みの増加が認められた。 これらの結果よりLRP1は軟骨/骨の発達に総合的に機能することによって生命を維持することが示唆される。
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Research Products
(3 results)