2011 Fiscal Year Research-status Report
GNAS1遺伝子変異細胞株の同所性移植による線維性骨異形成症モデルの作製
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23659877
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
豊澤 悟 大阪大学, 歯学研究科(研究院), 教授 (30243249)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
佐伯 万騎男 大阪大学, 歯学研究科(研究院), 講師 (30273692)
佐藤 淳 大阪大学, 歯学研究科(研究院), 講師 (70335660)
宇佐美 悠 大阪大学, 歯学部附属病院, 助教 (80444579)
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Project Period (FY) |
2011-04-28 – 2013-03-31
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Keywords | 線維性骨異形成症 / GNAS1遺伝子 / 骨髄間質細胞 / 同所性移植 / マウスモデル |
Research Abstract |
線維性骨異形成症(FD)は全身骨格の中で、顎骨に高い頻度で発症する腫瘍様骨病変であり、骨の変形や病的骨折を引き起こす。近年、GNAS1遺伝子の変異によるFDの発症機序が解明され、遺伝子診断が可能になり、FDの病態科学は飛躍的に進歩した。しかし、その治療法は未だに外科的切除であり、病態科学の進歩は治療には活用されていない。 当該年度は、GNAS1変異遺伝子を用いて人工的なFD細胞株を作製するため、ベクターに挿入したヒトの正常GNAS1遺伝子を、その翻訳産物Gsαのコドン201番のArgがCysやHisに置換する変異を導入し、変異GNAS1遺伝子を作製した。次に、このHis置換の変異GNAS1遺伝子を細胞に過剰発現させるために遺伝子組換えして、変異GNAS1遺伝子を過剰発現するレンチウイルスベクターを作製した。 ヒトFD組織を得る機会があったので、既に倫理委員会にて許可されている遺伝子チェックを、リアルタイムPCRを用いる新規方法にて検討した。その結果、GNAS1遺伝子の変異を従来法より簡便に検出できることが分かった。次年度に骨疾患サンプルが得られたときに、迅速な変異GNAS1遺伝子の診断が可能になり、ヒトFD組織の獲得に有利になると考えられた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
骨組織からの骨髄間質細胞の分離・採取に手間取っており、多くの量の骨髄間質細胞を抗体を用いて分離・採取する手法の改良と、分離・採取後の様々な細胞のコンタミネーションが大きな問題となっている。
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Strategy for Future Research Activity |
CD146をマーカーにして骨髄間質細胞を分離・採取する予定であるが、困難な場合は、その代わりに、既に株化された骨髄間質細胞株を使用して、変異GNAS1遺伝子の過剰発現細胞株を作製する。しかし、骨髄間質細胞株では、細胞内cAMPが上昇しないなどの問題が生じた場合は、大学の共同施設設置のセルソーターを用いて純粋なCD146陽性の骨髄間質細胞を分離・採取して、その初代培養細胞を用いる。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
研究費使用の第1の目的は、本実験目的に使用できる骨髄間質細胞株を購入することと、マウスの骨髄から骨髄間質細胞を分離・採取するために用いる。第2の目的は、前述の実験が成功すれば、作製した変異GNAS1遺伝子過剰発現細胞が細胞内cAMPを上昇させるか等の細胞の特徴を解析することと、ヒトの線維性骨異形成症の簡便な遺伝子診断法の改良に用いる。第3の目的は、前述の実験が成功すれば、ヌードマウスの移植実験とその解析のために用いる。
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