2013 Fiscal Year Annual Research Report
融合プロテオミクスと組織像の統合解析による転移性口腔癌検出システムの開発
Project/Area Number |
23659882
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Research Institution | Kumamoto University |
Principal Investigator |
ウィルソン 政代 熊本大学, 大学院生命科学研究部, 研究員 (90271113)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
荒木 令江 熊本大学, 大学院生命科学研究部, 准教授 (80253722)
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Keywords | がん / 転移 / 転移性癌細胞マーカー / マイクロメタ |
Research Abstract |
本研究は原発巣の検査にて、原発巣における転移性癌細胞の有無と転移成立か否かを正確・低価格・簡便に検出するシステムの開発を目的とした研究である。 原発巣における転移性癌細胞を検出する分子を同定するため、高転移性癌細胞と非転移性癌細胞の遺伝子とタンパク質の発現の相違を網羅的に解析し、われわれが開発したアルゴリズムによって両データを融合させ分子ネットワーク解析を行い、亢進しているシグナルネットワークを検出した結果、転移性癌細胞マーカー候補部分子および転移の有無を検出するための重要分子として、MIF、HIF(Hypoxia-inducible Factor)、Nago、E-Cadherin、Biglycan、TG2、CD44、Cytokeratin14、プロテインXを選定したので、前年度作製した転移性癌細胞と非転移性癌細胞が区別できるように各細胞を可視化したヘテロな癌細胞集団の臨床検体類似マウスモデル系を使用し、これらの分子の腫瘍移植部位での発現様式と転移との関係を検討した。その結果、転移のstage(未転移→初期転移→転移中期以降)が進むにつれ、①発現が増大する分子群(MIF、HIF、Nago、Biglycan、TG2)②均一な発現から不均一な発現になる分子群(E-Cadherin、CK14、プロテインX)③不均一な発現の分子群(CD44)に分けられ、これら3分子群の発現量と腫瘍内での局在様式の変化が頸部リンパ節の転移のStageの変化と関与している可能性が示唆された。 本研究の意義は臨床検査では検出できない転移初期(マイクロメタ)をこの方法では検出できることにある。転移の有無は治療方針(手術:頸部廓清の有無、化学療法および放射線療法:治療の有無、投与あるいは線量)を左右し、ひいては患者の予後に影響を与えるので、マイクロメタを検出できるこの方法は非常に重要であると考えられる。
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