2012 Fiscal Year Research-status Report
前骨転移ニッチ仮説に基づく癌の骨選択的転移メカニズムの解析
Project/Area Number |
23659883
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Research Institution | Matsumoto Dental University |
Principal Investigator |
平賀 徹 松本歯科大学, 歯学部, 准教授 (70322170)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
細矢 明宏 松本歯科大学, 歯学部, 講師 (70350824)
二宮 禎 松本歯科大学, 総合歯科医学研究所, 講師 (00360222)
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Keywords | 癌 / 骨転移 / 前転移ニッチ |
Research Abstract |
「前転移ニッチ(pre-metastatic niche)」の概念をもとに、平成24年度(第2年度)は、平成23年度に得られた担癌状態における骨髄の構成変化と、癌の骨への選択的転移との関連を明らかにするために、骨転移巣における骨髄細胞の構成変化についての解析、および骨髄Gr-1+/CD11b+細胞画分の人為的操作モデルマウスの確立を試みた。 1. 骨転移巣における骨髄細胞の構成変化 平成23年度、我々は、癌細胞皮下移植モデルマウスの骨髄においてGr-1+/CD11b+細胞が著明に増加することを見出した。平成24年度は、骨転移モデルマウスを用いて、骨転移巣における骨髄細胞の構成変化について、フローサイトメーターを用い、検討を行った。その結果、骨転移巣においてもGr-1+/CD11b+細胞が増加していることが確認された。これらの結果から、Gr-1+/CD11b+細胞と骨転移形成との関連の可能性が推測される。 2. 骨髄Gr-1+/CD11b+細胞画分の人為的操作モデルマウスの確立 骨髄Gr-1+/CD11b+細胞の骨転移に対する関与についての解析を進める方法の一つとして、同分画をマウスで減少させる手法を試みた。その結果、抗癌剤の一つである5-フルオロウラシル(5-FU)の投与が、同分画を著明に減少させることが確認された。この方法を用い、5-FUを前投与した動物で骨転移がどのように変化するかを検討することにより、骨髄Gr-1+/CD11b+細胞の骨転移に対する関与の解明に繋げていきたい。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
平成24年度は、交付申請書に記載した研究実施計画に沿って実験を行い、計画の目標はほぼ達成されたと評価している。
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Strategy for Future Research Activity |
平成25年度は、平成24年度に得られた研究結果もとに、Gr-1+/CD11b+細胞の腫瘍増殖および骨転移に対する作用について、モデルマウスを用いたin vivoでの検証を中心に検討を進めていく。具体的には、単離したGr-1+/CD11b+細胞を癌細胞とともにマウスに移植し、腫瘍増殖および骨転移に対する影響について解析する。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
平成24年度は、ほぼ計画通りの研究を行い、予算を執行したが、平成23年度の繰越金にほぼ相当する額が繰越金となった。平成25年度は、充実した動物実験を行うための十分数の動物の確保、細胞の分離、培養、調整、解析に必要な細胞培養関連用品・試薬、分子細胞生物学実験試薬の購入、および成果発表のための旅費、論文印刷代に当てる予定である。
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