2011 Fiscal Year Research-status Report
コラーゲンの高分子修飾と高密度石灰化ハイブリッドSuperDentinの誘導形成
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23659886
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Research Institution | Tokyo Medical and Dental University |
Principal Investigator |
田上 順次 東京医科歯科大学, 医歯(薬)学総合研究科, 教授 (50171567)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
島田 康史 東京医科歯科大学, 医歯(薬)学総合研究科, 助教 (60282761)
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Project Period (FY) |
2011-04-28 – 2013-03-31
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Keywords | コラーゲン / 歯質接着モノマー |
Research Abstract |
I型コラーゲンスポンジを、歯質接着モノマーのMDPにて処理(1%、5%、20%)、またはメガボンドプライマー処理(MB)し、石灰化を試みた。24時間放置後、無処理(コントロール)のコラーゲンスポンジとともに石灰化溶液に浸漬した。石灰化液のpHは、pH5-5.5とpH8-8.5の2条件とし、10日間経過後コラーゲンスポンジを取り出し、ただちにアセトンに浸漬し反応を停止した。自然乾燥した後、コラーゲンの沈着物について、ICP発光分光分析によりCaとPの定量を試みた。また、コントロール、MDP20%、MBについてはXRDにより生成物の分析を行った。結果、すべてのコラーゲン処理において、Ca、PはpH5-5.5の条件のほうがpH8-8.5よりも多かった。またCa、Pの沈着は、pH5-5.5、pH8-8.5ともにMDP1%ではコントロールよりも少なかったが、MDP5%、MDP20%、MBでは多くみられた。XRD分析の結果、pH5-5.5ではDCPDのピークが、またpH8-8.5ではハイドロキシアパタイトのピークがみられた。またMDPまたはMB処理を行った場合、pH5-5.5、pH8-8.5ともにMDP-Caと思われる強いピークが確認された。したがって、MDPまたはMB処理によってコラーゲンに付着したMDPが、Caの吸着に関与しているものと考えられた。また、このような反応は、pH濃度による影響を受け、特にpH8-8.5ではハイドロキシアパタイトが、pH5-5.5ではDCPDが多く形成されることが判明した。以上より、至適濃度のMDPによる処理は、I型コラーゲンの石灰化誘導に有効である可能性が示唆された。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
I型コラーゲンや脱灰象牙質またはエナメル質などに、リン酸基やカルボキシル基などを有するモノマー処理を行い、高度に石灰化させ、耐酸塩基性を有する象牙質またはエナメル質を作成する方法を、in vitroの条件で模索しすることを目的とし、研究を行った。平成23年度に得られたin vitro実験の結果は、二次う蝕予防ならびに知覚過敏抑制のためのモデル実験として適切なものと思われ、平成24年度においても成果が得られるものと思われるため。
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Strategy for Future Research Activity |
平成23年度に得られた研究成果から、平成24年度はさらに発展させ、次のような研究を計画している。(1)脱灰した象牙質の各種接着性モノマーを用いた石灰化(担当:田上順次、島田康史)。あらかじめ脱灰した象牙質に、リン酸基やカルボキシル基をもった接着性モノマーを作用させ、石灰化を試みる。接着性モノマーと、その濃度変化による影響を検討する。また、石灰化生成物の定性的分析、定量的分析、形態的観察を行う。(2)pH、温度による石灰化への影響(担当:島田康史)。同様に、接着性モノマーによって処理した象牙質の石灰化につき、pHならびに温度による影響を検討する。石灰化生成物の定性的分析、定量的分析、形態的観察を行う。(3)象牙質の石灰化の形態的観察と定量的観察(担当:田上順次)。主に健全な象牙質とコンポジットレジンとの接着界面において、接着性モノマー処理における石灰化生成物を観察し、その耐酸塩基性能につき、調査する。また、エッチング処理を行った象牙質面に接着性モノマー処理による石灰化沈着を行い、象牙細管の封鎖性につき検討する。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
ICP発光分光分析によるCaとPの定量評価、XRDによる定性評価に加え、透過型電子顕微鏡(TEM)による形態評価を行う。また、接着性モノマーによる再石灰化の様相を、光干渉断層計(OCT)やTMR法を取り入れて、観察を行う予定であり、これらの観察・分析機器の使用による経費を計画している。また、学会発表の旅費、学会誌に投稿するための英語論文の校正費、投稿費などを予定している。
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Research Products
(1 results)