2012 Fiscal Year Annual Research Report
コラーゲンの高分子修飾と高密度石灰化ハイブリッドSuperDentinの誘導形成
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23659886
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Research Institution | Tokyo Medical and Dental University |
Principal Investigator |
田上 順次 東京医科歯科大学, 大学院医歯学総合研究科, 教授 (50171567)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
島田 康史 東京医科歯科大学, 医歯(薬)学総合研究科, 助教 (60282761)
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Keywords | コラーゲン / 接着性モノマー / POs-Ca / ICP発光分光分析 / 光干渉断層計 |
Research Abstract |
ブタ由来のI型コラーゲンスポンジを用い、接着性モノマーを作用させ、石灰化を試みた。3つの濃度のMDP溶液(1%、5%、20%)をスポンジ全体に作用させ、pH5-5.5とpH8-8.5の石灰化溶液に、実験期間1日間または10日間浸漬した。浸漬後、カルシウムとリンの定量をICP発光分光分析法により測定した。次に、沈着物の定性的分析として粉末X線回折(XRD)を行った。 結果、コラーゲンに沈着するCaとPの量は、10日後に増加していた。pHによる影響を比較すると、1日後では、コントロール、MDP1%、MDP10%において、pH8-8.5のほうが多くのCaとPが沈着していた。10日間浸漬させた場合、pH8-8.5の条件では、MDP処理を行ったすべての群においてCaの沈着がpH5-5.5よりも有意に多かった。XRDパターンを観察すると、ハイドロキシアパタイト(HA)とDCPDの生成物がみられた。DCPDのピークはpH5-5.5において強くみられ、またpH8-8.5ではHAのピークのほうが強くみられた。またコラーゲンにMDPを作用させた場合、MDP-Caの生成物がpH5-5.5とpH8-8.5のどちらの条件においても確認できた。 次に、牛歯エナメル質を脱灰し、POs-CaまたはPOs-Caと緑茶由来のフッ素(POs-Ca+F)を含有する再石灰化液に浸漬し、石灰化の様相を走査型光干渉断層計(SS-OCT)を用いて観察した。また、ナノインデンテーションテストによる超微小硬さの変化を計測し、比較した。 結果、POs-CaならびにPOs-Ca+Fを作用させたエナメル質脱灰層において、石灰化が促進する様子が確認できた。また、SS-OCT画像の変化と超微小硬さの変化との間に、相関がみられた。
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Research Products
(5 results)