2011 Fiscal Year Research-status Report
歯の再植後の置換性歯根外部吸収発症機構の解明と歯根膜再生療法への展開
Project/Area Number |
23659887
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Research Institution | Niigata University |
Principal Investigator |
興地 隆史 新潟大学, 医歯学系, 教授 (80204098)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
吉羽 邦彦 新潟大学, 医歯学系, 准教授 (30220718)
吉羽 永子 新潟大学, 医歯学総合病院, 講師 (10323974)
金子 友厚 新潟大学, 医歯学総合病院, 助教 (70345297)
重谷 佳見 新潟大学, 医歯学系, 助教 (80397132)
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Project Period (FY) |
2011-04-28 – 2013-03-31
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Keywords | 歯学 / 歯の再植・移植 / 歯根膜 / 置換性歯根外部吸収 |
Research Abstract |
置換性歯根外部吸収は歯の再植・移植術後の重篤な継発症と位置づけられており、ひとたび発症した場合、確実に回復させる方法は知られていない。また、この病態の発症機序は言うに及ばず歯根膜の創傷治癒機構自体についても細胞・分子レベルの知見は限られている。本研究これらの点に着目して企画されたものであり、ラット臼歯をankylosis誘発条件(再植遅延、歯根膜除去)もしくは通常条件(即時再植)で再植し、歯根膜の硬組織基質タンパク発現あるいは細胞増殖因子発現を免疫組織化学的・分子生物学的に比較追究することで、ankylosis誘発条件に特有の変化を分子・遺伝子レベルで見いだそうとするものである。本年度はその端緒として、以下の検討を行った。(1) 再植後の歯根膜治癒経過の免疫組織化学的検討 ラット上顎第一臼歯を申請者らの方法により抜歯後速やかに再植(即時再植)し、マクロファージならびに硬組織関連タンパクの局在を免疫組織化学的に検討した。その結果、再植後早期より損傷を受けた歯根膜に著明なマクロファージの浸潤がみられることを観察した。(2) ankylosis誘発条件の検討 再植遅延(乾燥)、スケーラーによる歯根膜の機械的除去、次亜塩素酸ナトリウムによる歯根膜の溶解除去などの各種処置により、ankylosisが高頻度に生じる条件を組織学的に検索中である。乾燥によりankylosisがある程度高率に誘発されることを確認している。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
当初計画よりもankylosis誘発条件の検討がやや遅れているが、これは多彩な条件を比較したこと、および条件によっては歯の脱落などが生じて観察不能となることなどを理由とする。
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Strategy for Future Research Activity |
ankylosis誘発条件の検討は本研究の基盤的な部分であるが、この部分を確実に達成したのち、次段階の検索として各種免疫組織化学的、分子生物学的検討に移る予定である。これらの検索は概ね確立された手法で行うため、ankylosis誘発条件の確立次第、順次検索を進めることが可能と思われる。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
実験動物、抗体、試薬類に関する支出が見込みを下回ったため次年度に使用する予定の研究費が生じた。これらは物品費として翌年度に請求する研究費に加えて使用する計画である。
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