2012 Fiscal Year Annual Research Report
アンギオテンシンIIを用いた成功率の高い意図的歯牙再植術の開発
Project/Area Number |
23659890
|
Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
前田 英史 九州大学, 大学病院, 講師 (10284514)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
赤峰 昭文 九州大学, 歯学研究科(研究院), 教授 (00117053)
和田 尚久 九州大学, 大学病院, 講師 (60380466)
門野内 聡 九州大学, 歯学研究科(研究院), 助教 (30609558)
友清 淳 九州大学, 歯学研究科(研究院), 助教 (20507777)
|
Keywords | 歯根膜組織再生 / アンギオテンシン / 意図的歯牙再植 |
Research Abstract |
本研究では、意図的歯牙再植の際に、歯根膜細胞をアンギオテンシンIIまたはその一部の配列を含んだペプチドを用いて賦活化することによって、歯根膜組織の治癒を促し、意図的歯牙再植術の成功率を向上させる治療法を開発することを目的とした。 本年度では、Ang IIの意図的歯牙再植実験モデルラットへ応用による効果について検討した。まず再植歯歯根膜の治癒期間について検討した結果、2週間以内に瘢痕が消失することを明らかにした。そこで、本研究では、再植後7-10日で組織の観察を行うことにした。 4週齢の雄性SDラットの上顎右側第1臼歯を抜歯後、PBSにて血液を洗浄し、アンギオテンシンIIを10 ug/mLに調整したコラーゲンゲルを抜歯窩に注入し、そこへ洗浄した歯の再植を行った。対照群は、アンギオテンシンII非含有のコラーゲンゲルのみを注入し、再植を行った。7日後固定し、脱灰後パラフィン切片を作製した。その結果、対照群では歯根膜組織中に島状の骨形成が認められたのに対し、実験群では、歯根膜組織中に同様の骨形成はほとんど観察されなかった。また実験群の中には、歯根膜組織中の血管形成が促進した像が認められた。 また、アンギオテンシンIIは8個のアミノ酸(DRVYIHPF)から構成されていることから、これをDRVY、IHPF、VYIHPFの3種類のペプチドを作製し、10 ug/mLの濃度で、未分化なヒト歯根膜細胞株に投与した結果、腱/靱帯関連遺伝子の発現が促進することを明らかにした。 以上の結果より、意図的歯牙再植を行う際に、アンギオテンシンIIを応用することによってアンキローシスを抑制し、歯根膜組織再生を促進することを示唆する結果が得られた。
|
Research Products
(12 results)