2011 Fiscal Year Research-status Report
咬合に起因する微小動揺によるオッセオインテグレーション阻害メカニズムの解明
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23659893
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Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
横山 敦郎 北海道大学, 歯学研究科(研究院), 教授 (20210627)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
安田 元昭 北海道大学, 歯学研究科(研究院), 准教授 (90239765)
山本 悟 北海道大学, 歯学研究科(研究院), 助教 (10344524)
網塚 憲生 北海道大学, 歯学研究科(研究院), 教授 (30242431)
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Project Period (FY) |
2011-04-28 – 2014-03-31
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Keywords | オッセオインテグレーション / 咬合 / インプラント |
Research Abstract |
本年度はラットインプラントモデルの構築を行うとともにオッセオインテグレーションが阻害される荷重を与える時期について検討した. これまで当教室で行なってきた方法に準じてラット上顎左側臼歯を抜歯後,即時に抜歯窩にチタンスクリューを埋入し,初期固定が確実になされていることが確認することによりラットインプラントモデルを構築した.チタンスクリュー埋入後,2週間で骨内に位置するチタンスクリュー表面の50~60%程度には,直接骨組織が接していた.さらに,インプラント周囲の骨には,多数の改造線と骨細胞が観察され,オッセオインテグレーションが成立されつつあることが示された.この結果を基に,埋入5,7および10日後にチタンスクリューの上部に接着性レジンを添加し,下顎臼歯との咬合接触を与えることにより荷重を負荷し,1週後に周囲組織とともに摘出した.埋入5日後に荷重を負荷したラットにおいては,多くのチタンスクリューは脱落していた.埋入7および10日後では,チタンスクリューは脱落していなかった.組織学的検索では,スクリューの一部表面には骨組織が形成されている部分も認められたが,同時期の咬合接触を付与していないラットに比較して,多くの部分で肉芽組織や線維性結合組織が観察された.以上の結果から,ラット上顎のインプラントについては,埋入10日後以内に咬合を付与するとオッセオインテグレーションが阻害されることが示唆された.アルカリフォスファターゼやオステオポンチン等の骨関連タンパクの発現については,現在解析中である.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
交付金の総額の決定が遅くなったことにより,最終的な研究計画の立案が遅れ,実際の研究開始が遅れたため.
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Strategy for Future Research Activity |
現在進行中の骨関連タンパクの発現を免疫染色により検討し,オッセオインテグレーションの阻害との関連について解析する.また,遺伝子発現についてもマイクロアレイを用いることにより,オッセオインテグレーション阻害に関連する遺伝子について網羅的に解析する.
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
研究開始が遅れたことにより,本年度に行う予定であった骨関連タンパクの発現の解析がまだ途中であり,次年度にも継続して行うため,この解析に関する経費を次年度に計上する.加えて,遺伝子発現の解析のための新たな動物実験,マイクロアレイに関する消耗品,解析ソフトのレンタル等,さらに調査研究や成果発表のための旅費などを研究費として使用する予定である.
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