2013 Fiscal Year Research-status Report
咬合に起因する微小動揺によるオッセオインテグレーション阻害メカニズムの解明
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23659893
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Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
横山 敦郎 北海道大学, 歯学研究科(研究院), 教授 (20210627)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
安田 元昭 北海道大学, 歯学研究科(研究院), 准教授 (90239765)
山本 悟 北海道大学, 歯学研究科(研究院), 助教 (10344524)
網塚 憲生 北海道大学, 歯学研究科(研究院), 教授 (30242431)
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Keywords | オッセオインテグレーション / インプラント / 咬合 / リモデリング |
Research Abstract |
本年度は、埋入後早期の咬合負荷がインプラント周囲骨組織に与える影響について組織化学的に検討するとともに、ラットにおけるオッセオインテグレーション成立に必要な初期固定期間である埋入1週後から咬合負荷をかけた際の遺伝子の発現解析のためのサンプル採取方法について検討した。 チタン製のスクリューインプラントを上顎に埋入し、1週後に咬合負荷を与えたラットを実験群とし、咬合負荷を与えないものを対照群とした。実験群では対照群と比較し、インプラントのスレッド間に太い骨梁が形成される傾向が認められるとともに、アルカリフォスファターゼ陽性骨芽細胞系細胞および酒石酸耐性フォスファターゼ陽性破骨細胞の局在性が低下する傾向が認められた。また、骨梁におけるオステオポンチン陽性・オステオカルシン陽性を示すセメントラインは、対照群では太く複雑な鋸歯状を示すのに対して、実験群では細く、骨基質の密接な接着を示す傾向が認められた。これらの結果から埋入後早期の適度な咬合負荷は骨改造を緩やかにし、スレッド間の骨梁の太さを増加させる可能性が示唆された。 インプラント埋入1週後に咬合負荷を一定期間与えた後に、インプラントを摘出し、インプラントに付着した組織および周囲組織を採取することにより、マイクロアレイ解析に必要なサンプルを得ることが可能となった。この方法を用いて、次年度にマイクロアレイによる遺伝子発現の解析を行う予定である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
ラット上顎に埋入したインプラント周囲組織からマイクロアレイ用のサンプルが十分に採取できず、サンプル採取の方法の条件設定に時間を要したため。
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Strategy for Future Research Activity |
インプラント付着組織および周囲組織からマイクロアレイ解析用に必要なサンプルを得る方法が確立されたため、咬合負荷を3日間与えた場合と咬合負荷を与えない場合との遺伝子発現の差異をマイクロアレイにて比較検討し、オッセオインテグレーションの成立と阻害に関する遺伝子を明らかする。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
マイクロアレイ解析のためのサンプル採取方法の構築に時間を要したために、予定していたマイクロアレイを用いた遺伝子の解析ができなかった。 インプラント付着組織および周囲組織からマイクロアレイ解析用に必要なサンプルを得る方法が確立されたため、咬合負荷を3日間与えた場合と咬合負荷を与えない場合との遺伝子発現の差異を検討するためにマイクロアレイによる解析の費用に充てる
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Research Products
(1 results)