2012 Fiscal Year Annual Research Report
歯肉を用いた動物細胞/ウイルス・フリーのiPS細胞技術‐安全な移植医療に向けて‐
Project/Area Number |
23659896
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
矢谷 博文 大阪大学, 歯学研究科(研究院), 教授 (80174530)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
江草 宏 大阪大学, 歯学研究科(研究院), 助教 (30379078)
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Keywords | iPS細胞 / ウイルスフリー |
Research Abstract |
本研究の目的は、患者の歯肉から培養した細胞をiPS細胞の資源とすると同時に、フィーダー細胞として利用することにより、動物細胞/ウイルス・フリーのiPS細胞技術を追究することである。前年度は、歯科治療の際に切除された歯肉から線維芽細胞を分離培養し、この細胞から従来のウイルスベクターを用いる代わりに、エピソーマルプラスミドベクターを用いてヒトiPS細胞を樹立することに成功している。本年度は、歯肉線維芽細胞を自己フィーダー細胞として用いた培養方法を検討するために、分離培養した歯肉線維芽細胞をマイトマイシンCで処理することによって増殖能を不活性化し、これらをフィーダー細胞として用いて、ヒトiPS細胞の培養維持の可否を検討した。その結果、歯肉線維芽細胞はフィーダー細胞としてヒトiPS細胞の培養を維持することが明らかとなった。これらの成果は、本研究目的である動物由来成分およびウイルスフリーのiPS細胞の作製が、患者由来の歯肉線維芽細胞を用いることで可能であることを示唆している。
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