2012 Fiscal Year Research-status Report
Project/Area Number |
23659905
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Research Institution | Nagasaki University |
Principal Investigator |
渡邊 郁哉 長崎大学, 医歯(薬)学総合研究科, 教授 (00274671)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
黒木 唯文 長崎大学, 大学病院, 助教 (70404225)
渡邊 悦子 長崎大学, 医歯(薬)学総合研究科, 助教 (00325664)
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Keywords | 表面改質 / 金属材料 |
Research Abstract |
前年度はALD法により歯科用合金表面をSiO2成膜し、母材表面色調に影響を与えていることが示唆されたが、合金元素の表面からの溶出抑制ははっきりとは観察されなかったので、本年度はステンレススチール合金SUS304の板状試験片にAl2O3膜厚を成膜条件を変えて、100nmのALD成膜し、色調変化の観察と溶出試験(ISO10271)を行った。溶出試験は2%乳酸溶液に1週間浸漬した試験片からの合金成分(Ni,Fe,Cr)溶出をICP-MSにより観察した。色調は若干の青白色を呈し,溶出試験ではすべての元素の溶出抑制が見受けられた。また若干の色調変化により、成膜による摩耗摩擦に影響があるかを実験した。ALD法によるAl2O3原子層堆積成膜を矯正用アーチワイヤ-2種類(ニッケルチタン・ステンレス)へ行い、他のコーティング法との表面性状(表面粗さ)を比較検討した。またワイヤーとブラケット間の摩擦測定を行った。。摩擦測定には試作した摩擦試験用ジグ、ブラケット固定用ジグを用いて、cross-head speed 10mm/min、移動距離5mm、ブラケットの傾斜0°10°で行った。未処理のワイヤーではニッケルチタンの方がステンレスより粗い。TiO2,SiO2コーティングでは表面粗さは変化無いが、epoxyコーティングでは表面粗さは粗くなった未処理のワイヤーでは0°より10°ブラケットを傾斜させた方が摩擦力増大となった。epoxyコーティングでは未処理と比較し摩擦力が1.3倍となったが、ALD法にて成膜したワイヤーでは未処理とほぼ同程度の結果となり成膜の影響が少ないことがわかった。ALD法による成膜は膜厚を薄くすることが可能で、審美性にも優れている。また成膜温度が低温なため、金属材料本来の機能性を維持することが可能と考えられる。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本研究ではALD法を利用して新規ハイブリッド歯科材料の開発を行った。 ALD法にてAl2O3原子層堆積成膜したハイブリッド歯科材料を作成し、膜厚と色の評価を行った。さらにコーティングしたワイヤーの表面性状の観察、セラミックブラケットとの摩擦測定により機能性の評価を行い、研究はおおむね順調に進展している。
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Strategy for Future Research Activity |
後は成膜条件を変更し、膜厚を増加させて製膜して金属色を遮断するか、PLD(Plasma Laser Deposition)法との併用を検討し、再実験する。成膜の着膜耐久試験も検討する。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
次年度の研究費のほとんどが試験片作製のための材料消耗品となっているが、着膜耐久試験作製のための恒温槽の購入も計画している。
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Research Products
(2 results)