2013 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
23659905
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Research Institution | Nagasaki University |
Principal Investigator |
渡邊 郁哉 長崎大学, 医歯(薬)学総合研究科, 教授 (00274671)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
黒木 唯文 長崎大学, 大学病院, 助教 (70404225)
渡邊 悦子 長崎大学, 医歯(薬)学総合研究科, 助教 (00325664)
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Keywords | 原子層堆積法 |
Research Abstract |
昨年度のALD法による膜厚が不十分であると考えられたため、本年度はAL2O3、TiO2ならびにSiO2原子層堆積成膜の膜厚を増加させて、矯正用アーチワイヤ-2種類(ニッケルチタン・ステンレス)へ行い、表面性状の観察を行った。さらにワイヤーとブラケット間の摩擦測定を行った。 1.ALD法にてAL2O3、TiO2ならびにSiO2原子層堆積成膜した矯正用アーチワイヤ-の作成。矯正歯科で使用される既製のニッケルチタンおよびステンレスワイヤー(サイズ0.019”×0.025”)をALD法にてAL2O3、TiO2ならびにSiO2原子層堆積成膜した。AL2O3原子層堆積成膜の膜厚36.7nmでは金色、膜厚72.0nmでは青色を呈した。TiO2原子層堆積成膜の膜厚250.0nm、成膜温度200℃では金色、膜厚250.0nm、成膜温度300℃では緑色(ニッケルチタン)・紫色(ステンレス)を呈した。SiO2原子層堆積成膜の膜厚100.0nm、170.0nm、300.0nmではいずれも青味がかった銀色を呈した。 2.成膜した矯正用アーチワイヤ-の表面性状の観察。顕微鏡下で市販のepoxyコーティングワイヤーとの表面粗さを比較検討した。TiO2、SiO2原子層堆積成膜の表面粗さは変化無くepoxyコーティングでは粗くなった。 3.成膜した矯正用アーチワイヤーとブラケット間の摩擦測定。成膜したワイヤー、他のコーティング法によるワイヤー、未処理のワイヤーとセラミックブラケット間の摩擦測定を行った。epoxyコーティングでは未処理と比較し摩擦力が1.3倍となったが、ALD法にて成膜したワイヤーでは未処理とほぼ同程度の結果となり成膜の影響が少ないことがわかった。 ALD法による成膜は膜厚を薄くすることが可能で、成膜温度が低温なため、金属材料本来の機能性を維持することが可能と考えられる。本研究ではこのALD法を利用して新規ハイブリッド材料の開発を行った。
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Research Products
(3 results)