2012 Fiscal Year Annual Research Report
バイオミメティックス工学に基づいた高機能インプラントの開発
Project/Area Number |
23659910
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
島内 英俊 東北大学, 歯学研究科(研究院), 教授 (70187425)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
石幡 浩志 東北大学, 大学病院, 助教 (40261523)
根本 英二 東北大学, 歯学研究科(研究院), 准教授 (40292221)
金谷 聡介 東北大学, 歯学研究科(研究院), 助教 (80375097)
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Keywords | 生体模倣 / デンタルインプラント / チタン表面処理 / ハニカムフィルム |
Research Abstract |
細胞が生体内を遊走する際に必要となる足場を確保することが、組織再生を目指した生体材料表面修飾の基本要件である。純チタンインプラントフィクスチャーの粗面加工で、細胞接着を誘導する最適の面粗さはRa:1μmと言われ、それを純チタン表面に生成するためサンドブラストや陽極酸化法などが採用されているが、その微細な形状をμmオーダーで高精細に制御することができず、不均一な微細表面トポグラフィーしか得られなかった。そのため、これまでは細胞接着から硬組織生成に至る顎骨-フィクスチャー間インターフェースの組織再構成過程に対して再現性をもって制御するには至っていない。本研究では、インプラントのオッセオインテグレーションに至るプロセスのキーファクターであるフィクスチャー表面における微細トポグラフィーをミクロンオーダーで制御し、均一な形状を生成することで、フィクスチャー-顎骨間界面において再現性のある組織再生誘導を得る革新的表面機能化手法を考案し、そのプロトタイプとなるマイクロディンプルインプリントモデルを構築した。本学多元物質科学研究所生体機能設計研究分野で開発されたハニカムフィルムより、直径φ5μm、孔間ピッチ約12μmの高精細メッシュフィルムを導出し、これをエッチング用マスクとして、鏡面加工を施したTypeI純チタンに表面に貼付し、ウェットエッチングを実施したところ、ハニカムフィルムのメッシュ形状がエンボスされた結果生成されるディンプル形状が生成された。各ディンプル直径はマスクと同じ直径5μmに均一化されていた。この表面修飾材料に対し、ヒト歯根膜由来培養細胞を播種培養したところ。ディンプル外縁に沿って細胞体を進展させる様子が観察された。その動態は、従来の不規則な粗面上と異なり一定のパターンが認められ、均一化した表面トポグラフィーが播種された細胞の挙動に明らかに影響を与えていた。
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