2012 Fiscal Year Annual Research Report
X線元素分析法と電子線トモグラフィー法を用いた骨-インプラント界面の多面的解析
Project/Area Number |
23659916
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
竹重 文雄 大阪大学, 歯学部附属病院, 教授 (60206969)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
三浦 治郎 大阪大学, 歯学部附属病院, 助教 (70437383)
江草 宏 大阪大学, 歯学研究科(研究院), 助教 (30379078)
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Keywords | 電子線トモグラフィー / 骨細胞 / 電子顕微鏡 / 骨 |
Research Abstract |
電子顕微鏡用のグリッドの素材は、一般的にタングステンや銅が用いられている。実験期間に於いて我々は、電子顕微鏡用のチタニウム製の試料台(グリッド)を作製することにより、骨芽細胞とチタンの付着界面における石灰化様相や細胞の状態を直接グリッド上で電子顕微鏡観察できるシステムの構築することに挑戦を行った。 直径3mmのチタニウム板上で骨芽細胞を培養させ、走査型電子顕微鏡(SEM)、走査イオン電子顕微鏡(SIM)、透過型電子顕微鏡(TEM)といった電顕学的観察や集束イオンビーム加工装置(FIB)を用いた切削加工が培養細肪に対して行えるかを確認する実験を行った。特に集束イオンビームによる加工は、細肪と金属の界面を任意の断面にて加工することが可能であり、界面観察に非常に適した手法であることが確認された。さらに、培養自体が、簡単な設備で可能であり、様々な材質や表面条件に対する骨芽細胞の反応をナノオーダーにて観察できることが分かった。 このようにグリッドの材質にチタニウムを用いることにより生体の反応を電子顕微鏡学的に観察を行うという手法は、ほとんど報告がなく将来的にさまざまな材料に対する細胞組織の反応を研究する上で大きな進歩になると考えられる。 本研究は、これまで明確にされなかったインプラント治療における分子レベルでの解明に大きく寄与するばかりでなく、電子顕微鏡用試料台(グリッド)にチタンを用いる手法も確立されることで、インプラント体の表面性状の開発においてもin vitro の試験において、容易に界面の状態の評価が可能になると予想され、本来の研究だけでなくインプラント体の開発研究にも幅広く貢献できるものと考えている。
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Research Products
(5 results)