2012 Fiscal Year Annual Research Report
in silico歯周組織再生医学の創出を目指した複雑系単細胞研究
Project/Area Number |
23659917
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
村上 伸也 大阪大学, 歯学研究科(研究院), 教授 (70239490)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
山田 聡 大阪大学, 歯学部附属病院, 講師 (40359849)
竹立 匡秀 大阪大学, 歯学研究科(研究院), 助教 (60452447)
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Keywords | 歯周組織再生 / 歯根膜組織 / ライブセルイメージング |
Research Abstract |
本研究課題では、歯根膜細胞を対象とし、ライブセルイメージングにより細胞動態を観察し、ヘテロな細胞群における単細胞の応答性を明らかにすることを目的として研究を行った。平成24年度には、タイムラプスイメージング装置を用いて、in vitro創傷治癒モデルにおける歯根膜細胞の遊走を観察するとともに、歯根膜細胞と血管内皮細胞の共培養における細胞間相互作用について検討を行った。 in vitro創傷治癒モデルでは、平成23年度にFGF-2存在下での遊走促進を明らかにしたが、本年度はVEGF存在下およびFGF-2とVEGFとの共刺激における遊走能について検討を加えた。その結果、VEGF単独刺激では、マウス歯根膜細胞の遊走能に影響を与えなかった一方で、VEGF添加はFGF-2単独刺激における細胞遊走を著明に増強した。なお、マイトマイシンC処理により細胞増殖を阻害した際にも同様の結果が得られた。 一方で、歯根膜細胞と血管内皮細胞の共培養実験では、CellTrackerを用いてマウス歯根膜細胞をGreen、マウス血管内皮細胞をOrangeにトレーシングしMatrigel内で共培養を行ったところ、歯根膜細胞との共培養により血管内皮細胞の菅腔様形態変化が誘導された。興味深いことに、菅腔形態を示した血管内皮細胞の周囲にペリサイト様に歯根膜細胞が近接して配置されていく像が観察された。またこの現象はFGF-2存在下にて増強し、その効果はVEGF中和抗体処理により阻害された。両細胞の共培養により培養上清中のVEGF濃度が上昇すること、さらにFGF-2刺激により歯根膜細胞からのVEGF産生量が増加することから、FGF-2により誘導されるVEGFが歯根膜細胞と血管内皮細胞間の細胞間相互作用の一端を担っている可能性が示唆された。
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Research Products
(4 results)