2012 Fiscal Year Research-status Report
Project/Area Number |
23659919
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
牧平 清超 九州大学, 歯学研究科(研究院), 准教授 (80304450)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
寺田 善博 九州大学, 歯学研究科(研究院), 教授 (30038898)
篠原 義憲 九州大学, 歯学研究科(研究院), 助教 (00423533)
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Keywords | インプラント / インプラント周囲炎 / インプラント予後 / バイオマーカー |
Research Abstract |
インプラント周囲炎の評価法を確立することは非常に重要である。.そこで我々はラットに極小のインプラント体を埋入し, インプラント周囲に炎症を誘発させ擬似的にインプラント周囲炎を発症させた. このラットを用いて, インプラント周囲でおこる骨吸収に関する解析を行った。Wister ratの口蓋部に純チタン製インプラント体を埋入した. オッセオインテグレーションを確認後, P.g-LPSをインプラント周囲に間欠投与し炎症を誘発させた.インプラント周囲の歯肉を回収し, その歯肉組織からRNAを分離しreal time RT-PCRを用いて, 破骨細胞分化誘導因子であるRANKLとそのおとり受容体であるOPG の発現について解析した.また, 組織免疫染色法を用いて分離した歯肉組織内でRANKLを発現している細胞について検討した.real time RT-PCRの結果より, P.g-LPSは、インプラント周囲の歯肉組織におけるRANKL mRNAの発現を, LPSを投与していない歯肉組織中のRANKL mRNAと比較して有意に増加させた. 一方, P.g-LPS はOPG mRNAの発現を減少させた. 免疫組織染色法の結果, P.g-LPSを投与した歯肉組織中において, 抗CD3抗体で染色された細胞は, 同時に抗RNAKL抗体で染色された. P.g-LPSはインプラント周囲において破骨細胞分化誘導因子であるRANKLの発現を誘導し, そのRNAKLの一部はT細胞が供給している可能性が示唆された.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
インプラント周囲歯肉溝からペーパーポイントを用いて単位時間あたりの浸出液を回収し、その滲出液中のRANKLまたはOPGの溶出量が測定できることを予備実験で確認した。しかし統計的な処理ができる試料数を検討することは期間内で完了しなかった。しかしながら、概要で示したように、擬似的なインプラント周囲炎の病態を分子レベルで解析した。このため実験計画はおおむね順調にすすみ成果を挙げていると考えられる。
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Strategy for Future Research Activity |
平成25年度は、平成24年度に完了しなかった滲出液の解析を行う。実験の項目が増加するため、研究補助者を増員することによって細胞培養、動物実験などの効率化をはかり、研究を遂行する。この期間で得られた結果をとりまとめ、成果発表を関連学会で積極的におこなっていく予定である。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
平成24年度に予定していた浸出液の解析の未完了部分を平成25年度に行う。そのため、経費の一部を平成25年度に繰り越すこととする。また、平成25年度の予算は予定どおり平成25年度に予定している実験計画の遂行のために使用する。
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Research Products
(8 results)