2012 Fiscal Year Research-status Report
金属製生体材料からの生体・細胞内での微量溶出金属元素の分布・状態評価
Project/Area Number |
23659931
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Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
高師 則行 北海道大学, 大学病院, 助教 (40312376)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
宇尾 基弘 東京医科歯科大学, 医歯(薬)学総合研究科, 教授 (20242042)
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Keywords | 蛍光XAFS法 |
Research Abstract |
陽極酸化表面を持つチタンインプラントは生体親和性や骨結合性に極めて優れ、歯科用インプラントの主流となっている。これまでの研究で金属チタン加工面を持つインプラントからは生体内で微量のチタンが溶出する可能性が示唆されている。 本研究では陽極酸化型インプラント周囲に付着した骨に含まれる微量チタンを蛍光XAFS法により分析し、骨内での溶出インプラントの化学状態を分析した。XFAS測定は対象元素のX線吸収スペクトルから、その化学状態を知る方法で、中でも蛍光XAFS法は微量元素の状態を知る優れた手段である。試料は撤去されたフィクスチャー周囲に付着した骨で、XFAS測定は高エネルギー加速器研究機構放射光化学研究施設BL-9Aにて行った。フィクスチャー周囲に付着した骨から微量のチタンが検出され、その中にはルチル型二酸化チタンが含まれていた。フィクスチャー表面にはアモルファスかアナターゼ二酸化チタンであり、異なる結晶携帯の二酸化チタンが検出されたのは、フィクスチャーから微量溶出したチタン骨内への移行が起こる可能性が示唆された。しかしながら、ルチル型二酸化チタンは極めて安定な化学種であるため、溶出による生体への為害性は少ないと考えられた。 さらに歯科用金属(金銀パラジウム合金、銀合金、ニッケルクロム合金、コバルトニッケル合金)をマウスに埋入して、半年後に周囲組織とともに摘出し、生体内における溶出状況を分析中である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
12%金銀パラジウム合金、銀合金、ニッケルクロム合金、ニッケルコバルト合金をマウスに長期間埋入して、周囲軟組織を含めて摘出し、蛍光XAFS法で分析しているところであるが、分析機器が限られた設備であるため、ここでしばらく停滞しているが、平成25年度では分析が進む予定である。
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Strategy for Future Research Activity |
12%金銀パラジウム合金、銀合金、ニッケルクロム合金、ニッケルコバルト合金をマウスに1年間埋入して、周囲軟組織を含めて摘出し、蛍光XAFS法で分析を進める予定である。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
該当無し
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