2011 Fiscal Year Research-status Report
CASKノックアウトマウスを用いた口蓋裂形成シグナルの解明
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23659935
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Research Institution | University of Tsukuba |
Principal Investigator |
柳川 徹 筑波大学, 医学医療系, 准教授 (10312852)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
田渕 克彦 生理学研究所, 大学共同利用機関等の部局等, 准教授 (20546767)
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Project Period (FY) |
2011-04-28 – 2013-03-31
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Keywords | CASK / 口蓋裂 / ノックアウトマウス |
Research Abstract |
本年は、震災の影響でCASKノックアウトマウスの導入が遅れたため、結合物質の同定を主体としたin vitroの実験を優先しておこなった。CASKノックアウトマウスについては、現在、動物施設内への導入の準備中である。1)質量分析による結合物質の同定:CASKのPDZ-SH3-Gukドメインを含むGST-fusionタンパク質を作成し、マウス脳抽出液をカラムに通し、電気泳動で分離し、GSTのみのコントロールと差があるバンドを結合物質とし、Q-TOF LC/MSで分離したところ、CNTNAP2, Tenascin-R, Syndecan-4, AGPAT1, Desmoplakin, Desmoglein 1, Junction Plakoglobin ,neurexinが同定された。この中からneurexinを選択し確認作業をおこなった。GST-CASKによる、pull downアッセイをおこなったところ、ウェスタンブロットでneurexinは確認され、結合することが証明された。2)ドメイン解析: CASKのどのドメインにneurexinが結合するかを調べるために、ドメイン解析を開始した。ドメイン解析にはPDZドメイン、SH3ドメイン、GuKドメインに分割し、3つとも含むもの、PDZドメインのみのもの、SH3+GuKドメイン、GuKドメインに分割し、それぞれ GSTフュージョン・タンパクを制作した。ついで、GSTカラムに固定し、マウス脳抽出液から溶出させ、ウェスタンブロットによりneurexinの結合部位を同定し、CASKの複数のドメインにneurexinが結合することが予想された。3)その他:また、マウスの顎の変形を解析するため、ハウスドルフ距離を用いて対称性を数値化する方法を考案し、また臨床での応用の可能性を示し発表した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
前年度の震災の影響で、マウスの輸入などの手続きが遅れ、予定であったマウスの胎児の口蓋裂の形態の観察ができなかった。
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Strategy for Future Research Activity |
CASKノックアウトマウスを導入する準備を早急に進め、当初の目標であった形態の観察を進める。In vitroの結合物質の同定は、経過は良好のため、このペースでneurexinを経由するシグナルについて検索を深める。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
マウスの導入にかかる費用と多数のマウスの飼育をおこなうため、その維持管理代の負担が大きくなる。また,本実験を遂行するためには高価な遺伝子工学試薬などを多数使用するため消耗品の経費と、一部において、期間的・費用的に有利な場合は受託サービス(プライマー合成など)を利用して作業の効率化を図る。
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