2012 Fiscal Year Annual Research Report
CASKノックアウトマウスを用いた口蓋裂形成シグナルの解明
Project/Area Number |
23659935
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Research Institution | University of Tsukuba |
Principal Investigator |
柳川 徹 筑波大学, 医学医療系, 准教授 (10312852)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
田渕 克彦 信州大学, 医学部, 教授 (20546767)
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Keywords | CASK / 口蓋裂 / ノックアウトマウス |
Research Abstract |
1)CASKのfloxノックアウトマウスを導入し、観察を行った。CASKノックアウトマウスではCASK flox/floxでもCASKの発現は低下しているにも関わらず、死亡したマウスでは口蓋裂が見られないため、口蓋裂と胎生致死との因果関係が否定された。また口蓋裂形成にはCASKの遺伝子が完全に除去されていることが必要になることが判明した。低発現量で機能を維持する場合、enzymatic activity等による可能性が高く、multi-functional proteinとして知られるCASKにおいて、口蓋裂はCASKの酵素活性によって制御されていることが示唆された。さらにAyu-Cre, TNAP Creマウスなどとの掛け合わせによる完全欠失のマウスの制作を検討したが、研究者の施設移転とマウスのウィルス感染によるコロニーの一次閉鎖のため、完全欠失マウスの解析に至らなかった。 2)前年度からのin vitroの実験を継続し、CASKのPDZ-SH3-Gukドメインを含むGST-fusionタンパク質を作成し、Q-TOF LC/MSを用いてCNTNAP2, Tenascin-R, Syndecan-4, AGPAT1, Desmoplakin, Desmoglein 1, Junction Plakoglobin, neurexinなどの結合物質を同定し、この中からneurexinを選択した。PDZドメイン、SH3ドメイン、GuKドメインに分割し、GSTカラムにによって結合ドメインを同定したところ、PDZ+SH3+GuKドメインのすべてが必要であることがわかった。 以上から、口蓋裂におけるシグナルはCASKの微量の活性によって起きており、シナプス接着因子のneurexinと結合することから、シグナルの候補の一つとして、これらの関与が示唆された。
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Research Products
(2 results)