2013 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
23659940
|
Research Institution | Tokyo Medical and Dental University |
Principal Investigator |
黒田 真司 東京医科歯科大学, 医歯(薬)学総合研究科, 助教 (50323689)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
春日井 昇平 東京医科歯科大学, 医歯(薬)学総合研究科, 教授 (70161049)
中田 秀美 東京医科歯科大学, 歯学部, 非常勤講師 (30451967)
|
Keywords | 脂肪由来幹細胞 / CD90 / CD105 / スフェロイド / 骨芽細胞分化 |
Research Abstract |
脂肪由来幹細胞(ASC)は他の体性幹細胞と同様に多分化能を持ち、細胞表面抗原であるCDマーカーのプロファイルは骨髄由来間葉系幹細胞(BMSC)などと類似している。そこで本研究では、CDマーカー発現特性の違いによってASCの骨芽細胞分化能を比較することを目的とした。マウスの皮下脂肪からASCを獲得し、フローサイトメトリーを用いて細胞表面抗原CD90/CD105の有無による分取を行った。そしてそれぞれの細胞集団における骨芽細胞への分化能と細胞特性を比較検討した。DNA マイクロアレイによるそれぞれの分取ASC群およびBMSCにおける遺伝子発現の結果から、ASCの骨芽細胞への分化能はBMSCと同等であった。特にCD90(+)/CD105(+)群は細胞増殖・骨芽細胞分化に対して高いポテンシャルが確認された。次にそれぞれの細胞集団にhuman bmp2をコードしたアデノウイルス(AdenoX-bmp2)を感染させ、骨芽細胞分化誘導培地にて培養すると、CD90(+)/CD105(+)群において早期に石灰化nodule形成を確認した。培養後のフローサイトメトリーからCD105発現の減少傾向がみられたが、これはBMP2遺伝子導入において顕著であった。次に、ASCを1ヶ月以上の長期間培養をしたところ、スフェロイド状の立体構造を形成し、多分化能のマーカー遺伝子であるOct3/4,Nanog,Sox2 mRNAの発現がin situ hybridizationで確認された。また、スフェロイドをリン酸カルシウムディスク上で培養すると、単球殿共存培養にて石灰化結節を形成した。 以上の結果から、分取したASCには骨芽細胞分化能に違いがあることが明らかとなった。また、CD90およびCD105の発現量、そして単球やリン酸カルシウムとの共存が、細胞増殖および骨芽細胞分化において重要であると示唆された。
|