2012 Fiscal Year Research-status Report
PDEの唾液タンパク質促進による誤嚥性肺炎の新しい治療方法の開発
Project/Area Number |
23659943
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Research Institution | Mie University |
Principal Investigator |
村田 琢 三重大学, 医学部附属病院, 講師 (80242965)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
田川 俊郎 三重大学, 医学(系)研究科(研究院), 特任教授 (30046346)
清水 香澄 三重大学, 医学部附属病院, 助教 (20378368)
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Keywords | 唾液腺 / 誤嚥性肺炎 |
Research Abstract |
誤嚥性肺炎は脳梗塞などの脳血管障害のある患者や高齢者で起こりやすく、臨床現場で深刻な問題となっている。その原因は①食塊形成の低下、②口腔内細菌、③嚥下反射の遅延や消失などである。唾液中には種々の唾液タンパク質が含まれ、食塊形成を容易にするとともに、口腔内細菌を減少させる働きがある。そして、唾液タンパク質合成や分泌はcAMPにより調節されている。そこで、本研究では11種類(PDE1からPDE11)あり細胞内のセカンドメッセンジャーであるcAMPを分解することによりその濃度を調節しているphosphodiesterase (PDE)の唾液腺での発現やその作用を検討し、誤嚥性肺炎の新しい予防や治療方法を確立するための道を切り開くことを目的とした。平成23年度研究では、げっ歯類(ラットとマウス)唾液腺細胞でのPDE発現の確認を中心に研究を行ないラット顎下腺では、ほとんどがPDE3活性とPDE4活性で、他のPDE活性は非常に低かった。しかし、唾液腺をpercollにて腺房細胞群と導管細胞群に分離したが筋上皮細胞がどちらに存在するかは不明であった。そこで、平成24年度研究で最初に筋上皮細胞の存在とPDE3発現の確認を行った。筋上皮細胞は腺房細胞群と導管細胞群の両方に存在したが、PDE3発現は認めなかった。次にPDE3ノッアウトマウスで検討したところ形態学的観察では野生型マウスと大きな変化は認めなかった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
大幅な研究計画の変更もなく、おおむね順調に進展している。前年度までの成果については、平成24年4月、日中歯科医学大会にて発表した。今後も、日本口腔外科学会等にて成果を報告していく予定である。
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Strategy for Future Research Activity |
本研究ではPDE活性の高いPDEについて検討を進めた。ところが最近、各PDEは細胞内局在があり、活性が低くても重要な働きをしていることが報告されてきた。そこで、今後は発現量の少ないPDEについても検討する予定である。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
PDEは11種類(PDE1からPDE11)あり、当初計画では全てのPDEを検討する予定であった。しかし、げっ歯類顎下腺ではほとんどがPDE3と4活性のため両PDEを中心に行った。ところが最近、各PDEは細胞内局在があり、活性が低くても重要な働きをしていることが報告されてきた。そこで活性が低いPDEについても検討する必要が出て来た。 そこで、次年度として9種類のPDEのmRNA発現をRT-PCRとリアルタイムPCR等にて行い、発現が少ないのか、あるいは、無いかを検討し、今後の研究対象にするかを決定する。そのためリアルタイムPCRキット、TaqManプローブや逆転写酵素を購入予定である。
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